
6月3日の地方選挙で露呈した選挙管理委員会の無能さの背景に、根深いモラルハザードがあったことが明らかになりつつある。選管職員らは2023年秋、数千万ウォンの予算を投じてモルディブやコタキナバルなど有名リゾート地へ出張していた。選挙視察などが名目だったというが、人口52万人の観光立国モルディブで選管が何を学んできたのか疑問だ。出張報告書には海辺などの風景写真が多数含まれていたという。選管が職員の能力向上を名目に、イタリアのフィレンツェやベネチアなどの観光地へ毎年職員を派遣していたことも明らかになった。
職員らが観光旅行まがいの出張をしていた2023年下半期は、選管幹部らの子女に対する特別採用疑惑で国民の怒りが高まっていた時期だった。当時は幹部らが捜査を受け、選管委員長が辞任するという重大な状況だったにもかかわらず、職員らはこのように危機感を欠いていたのだ。今回の地方選挙を機に選管の大手術を求める世論が沸き起こる中でも、大邱(テグ)の選管職員が勤務時間中に堂々と事務室でゴルフのスイング練習をしていた。内部統制と自浄機能が完全に機能不全に陥っていることを示す象徴的な出来事だ。
選管委員ら上層部のモラルハザードも深刻だ。地方選挙の当日に出勤した選管委員は9人中わずか2人だった。選挙管理の責任者だった盧泰嶽(ノ・テアク)前選管委員長が選挙前3カ月間に出勤した日は、法定勤務日の半分にすぎなかった。職員の間では全国規模の選挙のたびに休職し、選挙終了後に復職する「選挙逃避型休職」が蔓延している。今回の選挙でも休職自粛令が出されたにもかかわらず、休職者は定員の6%に当たる181人に達した。幹部ら自らが縁故を利用して子どもを就職させ、勤務にも怠慢だったのだから、部下職員に統率が及ぶはずがない。
このように勤務規律が崩壊した組織で、選挙管理が適切に行われるはずがない。今回の選挙で選管が前例のない投票用紙不足を招き、開票結果についても集計漏れや重複入力を起こすなど、総体的な無能ぶりをさらけ出したのは予告された結末だった。最近では、選管が投票用紙の印刷を外部業者に委託し、すべて随意契約で発注していたことも明らかになり、特定業者への利益供与疑惑まで浮上している。現行法では5千万ウォン以上の契約は競争入札が原則だが、ソウルや京畿道(キョンギド)など主要地域ではこれが守られず、投票用紙1枚当たりの印刷費も恣意的に設定され、地域によって最大3倍の差が生じていた。選管が独立した憲法機関という盾の陰に隠れ、無能と特権を増長させてきた実態を徹底的に解明しなければならない。






