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「半導体工場は必ずしも韓国とは限らない」 K半導体エクソダスへの警鐘

「半導体工場は必ずしも韓国とは限らない」 K半導体エクソダスへの警鐘

Posted June. 17, 2026 09:56,   

Updated June. 17, 2026 09:56


SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長が先週の訪日時に発した一言が、財界の注目を集めた。崔氏は新たな半導体工場の立地に関する質問に対し、「韓国で(建設が)できなければ海外に行かざるを得ない状況だ」と前置きした上で、「必ず韓国に建てるとは限らない」と述べた。

これまで韓国社会は、メモリー半導体の国内生産を当然視してきた。台湾の人々が半導体受託生産企業TSMCを、供給網の独占によって国家安全保障を支える「護国神山」とみなしているように、韓国も三星電子の器興(キフン)、華城(ファソン)、平沢(ピョンテク)工場や、SKハイニックスの利川(イチョン)、清州(チョンジュ)工場に続く次のDRAM工場も当然韓国内に建設されると考えられてきた。しかし崔氏の発言が示すように、今年に入って起きたさまざまな出来事は、国内半導体企業に「韓国一極集中」を改めて考えさせる契機となった。

代表的なのが労組リスクだ。三星電子は今回の成果給交渉で、営業利益を一律配分しないという方針を覆し、利益の10.5%を半導体(DS)部門の従業員に支給することを決めた。交渉前には経営の基本原則として「利益がなければ成果給もない」と強調していたが、一部赤字の半導体事業部にも億ウォン台の成果給支給を約束し、この原則を崩した。三星電子内部では、ストライキによって生じ得る莫大な損失額の試算とともに、DRAMを100%国内で生産していることが会社側の交渉力を弱めたとの声が出ている。これまで韓国集中が強みとされてきた半導体産業が、その集中ゆえに自動車や造船業などよりもストライキに弱いことが明らかになったのだ。

半導体産業を取り巻く政治的圧力も、今年は特に強い。各社で年間営業利益200兆~300兆ウォン規模のスーパーサイクル(超好況)が予想されると、地方自治体は半導体工場の「PIMFY(どうか私たちの地域に建ててほしい)」競争に乗り出した。6月3日の地方選挙では、広域自治体16カ所のうち6カ所が企業の意思とは無関係に「半導体工場誘致」を公約に掲げた。一部地域では選挙が終わるや否や、企業側が何も決まっていないと言っているにもかかわらず、「近く○○社が当地域に半導体工場を建設する」と公言している。仮にそのような計画が実際には存在しなかったことが判明しても、地域住民の不満は企業に向かう可能性が高い。

企業経営者が最も嫌うのは「押しつけられた投資」だ。企業は投資そのものを恐れない。むしろ成長可能性が見えれば誰よりも先に資金を投入しようとする。しかし事業性より政治的要求が先行する投資は別だ。経営判断ではなく社会的圧力によって投資に踏み切った瞬間、失敗後に生じる政治的責任まで企業が負うことになる。

世界は今、人工知能(AI)産業の「コメ」ともいえる半導体工場の誘致競争を繰り広げている。米国は巨額の補助金と税制優遇で、日本は迅速な許認可と行政支援で半導体企業を呼び込んでいる。一方、韓国は目立った優遇策もないまま、「地域均衡発展」を名目に半導体工場の地方配置を急いでいるように映る。本当に半導体工場を地方に誘致したいのであれば、それに見合う投資環境を整えたうえで、100%企業の選択に委ねなければならない。