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事実の摘示による名誉毀損 「プライバシー侵害」に限定し過剰処罰をなくすべきだ

事実の摘示による名誉毀損 「プライバシー侵害」に限定し過剰処罰をなくすべきだ

Posted June. 08, 2026 09:11,   

Updated June. 08, 2026 09:11


法務部長官の諮問機関である刑事法改正特別委員会が、事実の摘示による名誉毀損罪について、「私生活の秘密を侵害する場合」に限って処罰する方向で法改正すべきだとの意見をまとめた。適用対象を大幅に縮小すべきだという趣旨である。特別委はさらに、告発の乱用を防ぐため、事実摘示名誉毀損罪を本人の告訴があって初めて処罰できる親告罪とする案についても議論している。

事実摘示名誉毀損罪は、1953年の刑法制定以来、73年間維持されてきた。その間、法曹界ではこの条項が憲法上の表現の自由を過度に制約しているとの指摘が絶えなかった。養育費を支払わない親の身元を公開した団体代表や、賃金未払いに抗議して経営者を批判するプラカード行動を行った従業員が有罪判決を受けたことは、代表的な論争事例として挙げられる。李在明(イ・ジェミョン)大統領が昨年11月、内閣に対しこの条項の廃止検討を指示したのも、こうした理由からだった。

ただ、事実摘示名誉毀損罪を完全に廃止すれば、有名人の私生活を暴露して再生回数を稼ぐ一部ユーチューバーらが、他人の健康情報や性的嗜好といった極めて私的な情報まで無制限に公開するのを防ぎにくくなるとの指摘もある。憲法裁判所も2021年、この条項を廃止すれば「私生活の秘密と自由に対する重大な侵害につながりかねない」として合憲判断を下した。特別委が廃止ではなく、要件を厳格に限定する方向へかじを切った背景である。

事実摘示名誉毀損罪は、世界的に見ても韓国と日本以外ではほとんど見られない規定だ。ドイツやフランスなどは虚偽事実による名誉毀損のみを処罰し、米国では名誉毀損の大半を民事訴訟で扱っているのと対照的である。しかも韓国では、事実摘示名誉毀損の容疑で起訴された事件が2024年時点で1500件に達するほど多い。このような現実では、事実に基づく健全な批判まで萎縮せざるを得ない。特別委の提案を踏まえ、政府と国会は法改正を急ぐべきだ。