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夫に食べさせたくて…あんパン5個盗んだ80代女性、生計支援受ける

夫に食べさせたくて…あんパン5個盗んだ80代女性、生計支援受ける

Posted May. 11, 2026 10:59,   

Updated May. 11, 2026 10:59


苦しい生活の中、持病で体の不自由な夫に食べさせるため、あんパンを盗んだ80代の女性が、警察の支援により福祉支援を受けることになった。

京畿道高陽(キョンギド・コヤン)警察署によると、先月2日午後2時ごろ、高陽市徳陽区(トギャング)の無人パン店で、高齢女性があんパン5個を会計せず持ち去ったとの通報が寄せられた。警察は防犯カメラ映像の分析などを通じ、店付近に住む80代女性を窃盗容疑で逮捕した。女性は取り調べに対し、「夫が好きなあんパンを食べさせたかった」と言い、犯行を認めた。

警察の調べによると、この女性は特段の前科がない基礎生活受給者だった。また、認知症などの持病で体の不自由な80代の夫を、約20年間1人で介護してきたことも分かった。あんパン5個の代金は1万ウォンにも満たなかったが、この老夫婦は病院治療費などの負担で、パン数個すら買えないほど困窮していたという。事情を後になって知った店主も、「処罰を望まない」との意思を警察に伝えた。

こうした事情を確認した警察は、一律的な処罰よりも実質的支援が急務だと判断した。このため高陽署は先月末、軽微犯罪審査委員会を開き、女性への減軽措置を決定し、事件を即決審判に付した。即決審判は軽微な犯罪について正式な刑事裁判を経ずに処理する制度で、女性は複雑な裁判手続きや前科が残る刑事処罰を避けられることになった。

即決審判とは別に、警察は老夫婦の住居地と管轄行政福祉センターを訪れ、緊急生計費支援を受けられるよう措置した。緊急生計費支援は、生計困難など危機的状況に置かれた住民に、救援物資やケアサービスなどを一時的に提供する制度だ。クォン・ボンス高陽署刑事課長は、「目に見えてやつれた女性の事情を聞き、職員全員が何とか助けたいと思った」とし、「犯罪には原則的に対応するとしても、生計型犯罪や社会的弱者の苦境まで目を背けるべきではないと判断した」と語った。


チョン・ジョンヒョン記者 punch@donga.com