
血液がんで3年間闘病してきたチェ氏(59)が先月初め延命治療を中止すると、家族は医療スタッフが自宅を訪れる在宅型ホスピスを探し回った。しかし居住地の忠清北道陰城郡(チュンチョンブクド・ウムソングン)にはホスピス機関自体がなく、同地域で唯一在宅型ホスピスを提供する忠北(チュンブク)大学病院も満床で受け入れは不可能だった。チェ氏は結局、先月中旬に忠州(チュンジュ)医療院に入院し、9日後に亡くなった。娘のキム・ジョンア(仮名、29)氏は「自宅で家族と最期を過ごしたいという母の願いをかなえられず、つらい」と語った。
地方の終末期患者は、脆弱なホスピス体制のため近隣の大都市や首都圏へ「遠征看取り」を余儀なくされている。4日、国会保健福祉委員会所属の野党「国民の力」の韓智雅(ハン・ジア)議員が保健福祉部から受けた資料によると、昨年在宅型ホスピスを利用した2462人のうち55.7%が首都圏でサービスを受けた。65歳以上の死亡者の58.8%が非首都圏で発生していることを踏まえると、地方ほど「自宅で尊厳ある最期を迎える権利」が保障されていない実態が浮かぶ。
江南(カンナム)セブランス病院緩和医療センターのシム・ジェヨン・センター長は「地方では高齢者人口の割合が40%を超える地域も多いが、ホスピスへのアクセスはさらに低い」とし、「全国どこでも誰もが同じ終末期ケアを受けられる体制を整える必要がある」と指摘した。
パン・ソンウン記者 bbang@donga.com






