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昨年の「終末期難民」5万7000人 療養病院・自宅・救急室を転々

昨年の「終末期難民」5万7000人 療養病院・自宅・救急室を転々

Posted May. 04, 2026 09:10,   

Updated May. 04, 2026 09:10


「これ以上使える抗がん剤はありません。ホスピスを受けてください」

8年前に胃がんと診断されたパク・ジョンウさん(49・仮名)は、病状が急激に悪化した昨年9月、主治医からホスピスを勧められた。ホスピスとは、終末期を迎えた患者の身体的苦痛や心理的不安を和らげる緩和医療などのケアサービスを指す。

しかし昨年10月に訪れたあるホスピス病院は、パクさんが自力で移動できることを理由に入院を断った。中学生と小学生の2人の子どもと残された時間を過ごしたいと在宅型ホスピスも検討したが、状況は難しかった。医療的支援なしには食事ができない状態だったため、医療スタッフが常駐しない在宅型ホスピスの利用は不可能だった。

延命医療を中止したパクさんは結局、8カ月にわたり療養病院や総合病院、自宅、救急室を転々とした末、最近再び専門的なホスピスサービスを期待しにくい療養病院に戻った。パクさんのように適時にホスピスを利用できずに亡くなった「終末期難民」は、昨年、過去最多の6万人に迫ることが分かった。3日、国会保健福祉委員会所属の野党「祖国革新党」の金宣旼(キム・ソンミン)議員が保健福祉部から提出を受けた資料によると、昨年、延命医療を中止した患者は8万1220人だった。このうちホスピスを利用して亡くなった人は2万3816人にとどまった。

延命医療中止後、入院型・在宅型ホスピスの支援を受けずに療養病院や自宅などで最期を迎えた「終末期難民」は5万7404人に上る。ホスピス機関や病床の拡充が進まない一方、延命医療を中止する患者は増え続けており、「終末期難民」は今年6万人を超える見通しだ。仁川(インチョン)聖母病院緩和医療センターのキム・デギュン・センター長は「苦痛の中で放置されることへの恐れから延命医療を断念できない患者も多い」とし、「人としての基本的な尊厳を保ったまま最期を迎えられるよう、政府は緩和医療など終末期ケアサービスを強化すべきだ」と指摘した。


チョ・ユラ記者 シン・イェリン記者 jyr0101@donga.com