
年間の死亡者数が出生数を上回る「多死社会」に入って今年で7年目となる。昨年の死亡者数は36万人で、出生数を11万人上回った。しかし、苦痛なく穏やかな最期を迎えることはいまだ容易ではない。昨年、回復の見込みがなく延命治療を中止した患者は8万1220人に達したが、このうちホスピス施設で緩和医療を受けて亡くなったのは3割にすぎない。残る約5万7000人は延命治療中止後、療養病院や自宅、救急室を転々とし、苦痛と不安の中で亡くなった。安らかに死を迎える場所を見つけられなかったという意味で、彼らは「終末期難民」と呼ばれる。
終末期難民は増加傾向にある。尊厳ある死を支える中核インフラであるホスピスの需要は超高齢化に伴い急増しているが、供給が追いついていないためだ。欧州緩和医療協会によると、人口100万人当たり最低50床のホスピス病床が必要とされるが、韓国は38床にとどまり基準を大きく下回る。比較的利用しやすい末期がん患者に限っても、ホスピス利用を希望する割合は90%に達する一方、実際の利用率は23%にとどまる。しかも施設が首都圏に集中しており、地方の状況はさらに厳しい。
政府は終末期患者の尊厳ある死を支援し医療費負担を軽減するため、延命治療中止を推奨しているが、その後の代替手段が乏しいため、実際には延命治療を断念しにくいのが現状だ。65歳以上の高齢者の84%が延命治療に否定的であるにもかかわらず、実際に中止する割合は20%にも満たない。延命治療をやめた瞬間、家族に大きな負担を強いるか、あるいは病院や救急室を転々としながら苦痛の中に置かれる覚悟を迫られる状況で、誰が容易に決断できるだろうか。
政府がホスピス専門機関に支出する予算は、2024年に69億6600万ウォンへ増額された後、今年まで3年間据え置かれている。ホスピスへの投資が不足するほど、無意味な延命治療に費やされる医療費は増えるばかりだ。ホスピスを含む終末期ケアと緩和医療インフラの大幅な拡充が急務である。終末期患者の依存度が高い療養病院にもホスピス運営を認め、自宅での看取りを望む需要を踏まえ在宅型ホスピスの割合も高めるべきだ。対象疾患も認知症を含む多様な慢性疾患へと拡大する必要がある。尊厳ある死を望む人々を「終末期難民」にしてはならない。






