
アンソロピックの次世代人工知能(AI)モデル「ミトス」の衝撃を受け、各国の経済当局トップが「世界の銀行システムを脅かしかねない」と懸念を示した。高度なセキュリティシステムの脆弱性を突く次世代AIが、ハッキングを通じて既存システムを揺るがす可能性があるためだ。アンソロピックと対立していた米政権も、再び同社と協力する動きを見せている。
16日(現地時間)、ブルームバーグ通信など海外メディアによると、13日から米国の首都ワシントンで開かれている「国際通貨基金(IMF)・世界銀行春季会合」に集まった各国の財務相・中央銀行総裁らは、ミトスが金融システムに及ぼす影響について警鐘を鳴らした。
世界の金融規制機関である金融安定理事会(FSB)議長を兼ねるイングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は「これは我々すべてにとって極めて重大な課題だ」とし、「AIの世界がいかに速く進んでいるかを改めて認識させる」と述べた。欧州中央銀行のラガルド総裁は英紙フィナンシャル・タイムズに対し、「アンソロピックのミトスの事例は、責任ある企業であっても『非常に有用だ』と考えた技術が誤った手に渡れば極めて危険になり得ることを示す好例だ」と述べた。
ミトスは最近、セキュリティ重視のオープンソース基本ソフト(OS)「OpenBSD」で27年間発見されなかった設計上の欠陥を見つけ出し、侵入経路まで設計したとされ、各国政府に衝撃を与えた。アンソロピック側も国家安全保障上の深刻なリスクになり得ると判断し、一般公開せず、技術・金融企業など厳選した40機関に限定して提供した。セキュリティ侵害の可能性に備えた事前対応を促す狙いだ。
ミトスの衝撃が広がる中、アンソロピックと訴訟を続けてきた米政権も再び協力に転じる動きを見せている。ブルームバーグ通信によると、ホワイトハウス行政管理予算局(OMB)のグレゴリー・バーバッチア連邦最高情報責任者(CIO)は最近、各省庁に送った電子メールで、同局がアンソロピックの最新AIモデル「ミトス」を政府機関が利用できるようにする方法を検討していると明らかにした。
このメールは国防総省や財務省、商務省、国土安全保障省、司法省、国務省などに送付され、数週間以内に追加情報を提供する方針も示された。ただし、政府機関がミトスへのアクセス権を確実に付与されるとの明記はなく、導入時期や利用方法など具体的な日程も提示されていないという。
一方、米国防総省はグーグルとも機密業務向けAIモデル契約を進めている。情報技術(IT)専門メディア「ジ・インフォメーション」によると、国防総省は軍事など機密業務にグーグルの「ジェミニ」を活用することを協議している。
チョン・ヘジン記者 sunrise@donga.com






