
人工知能(AI)を活用したアグリテック企業エイオファームは、「規格外農産物」を見分ける高度技術を持つ。同社の中核的な競争力は、透明選別機にある。農産物を一度に360度から撮影し、傷や欠陥を検出する仕組みだ。従来の選別機は農産物を転がしながら不良を見つける方式であったため、トウガラシやイチゴなど、わずかな接触でも傷みやすい農産物には適用が難しかった。
2024年3月、NH農協銀行などから調達した35億ウォンが技術開発を後押しした。同社は約2年間の開発を経て、来月この装置を発売する。クァク・ホジェ代表は「年内にベトナムや北米などへ輸出する」と話した。
将来性の高い産業に資金を投じる革新金融が韓国の農業企業に流入し、アグリテックが輸出産業として成長するとの期待が高まっている。ベンチャー資本の支援を受けたアグリテックは、人手や資本が不足する農家において、生産性と効率性の向上を後押ししているとの評価が出ている。
空間データ企業ダビオもその代表例だ。同社は高解像度の衛星画像とAIを融合し、農業や森林などの空間分析を行う。2012年設立で、世界で初めて30センチ級の超高解像度衛星画像とAI分析技術を開発した。これにより森林内の個々の樹木の状態を精密に分析し、健全度を評価している。
同社は2017年に未来(ミレ)アセット・ネイバーファンドなどから25億ウォン、2019年には新韓(シンハン)キャピタルやNHベンチャー投資などから90億ウォンを調達。サーバーやGPUの拡充、人材確保、研究開発に投入しAIの高度化を進めた。その結果、2019年にベトナム法人、2022年に米国法人を設立するなどグローバル企業へ成長した。2024年にはインドネシア企業と、ソウルの面積を上回る765平方キロのパーム油農園のモニタリング事業にも着手した。
革新金融は地域特産品の輸出拡大にも寄与している。2014年設立の済州(チェジュ)アイスクリーム・チーズメーカー「ミスターミルク」は、済州産生乳を使った牛乳やジェラートを販売する。官民合同で造成された農林水産食品母胎ファンドの資金支援を受け、大量生産設備を確保した。中国や東南アジアなどへの市場拡大を図る方針だ。2028年までに企業価値を550億ウォン規模に引き上げる目標を掲げている。
ソウル大学農業経済社会学部のキム・グァンス教授は「農業は他の先端産業に比べ競争が激しくなく、輸出に適したブルーオーシャンだ」とし、「製造業に比べ資金供給が遅れがちなため、政府主導で長期的な育成が必要だ」と指摘した。
ジョウンア achim@donga.com






