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急務となったエネルギー調達先の多角化 「経済安全保障」の強化を

急務となったエネルギー調達先の多角化 「経済安全保障」の強化を

Posted April. 01, 2026 09:01,   

Updated April. 01, 2026 09:01


米国・イスラエルとイランの戦争によって引き起こされた危機が韓国経済を直撃し、中東に過度に依存してきたエネルギー・原材料供給網の脆弱性が露呈している。ホルムズ海峡が封鎖され、中東から調達していた原油、ナフサ、尿素、アルミニウムの供給に支障が生じ、経済全体が危機にさらされている。今回の事態を機に、経済性だけでなく安全保障・危機管理の観点から海外供給網を再構築すべきだとの指摘が出ている。

韓国は輸入原油の約70%をサウジアラビアなど中東に依存している。9年前から米国産原油の輸入を増やし、オランダに次ぐ第2の輸入先となったが、比率は20%に満たない。ベトナムやマレーシアなどからの輸入を合わせても約10%に過ぎない。大半の精油・石油化学施設も粘度の高い中東産原油に合わせて設計されており、急に米国産などの軽質原油の輸入を増やしても切り替えは容易ではない。

急騰する国際原油価格を抑えるため、米国や欧州連合(EU)がロシア産原油への制裁を一時的に緩和したが、韓国が参入できる余地は大きくない。制裁期間中もロシア産原油を購入していた中国やインド、東南アジア諸国が確保してしまうためだ。原油供給が途絶し国家非常事態を宣言した親米的なフィリピンでさえロシア産原油を導入しているが、韓国は米国の目を意識して本格的に踏み出せていない。

韓国が国際的なエネルギー・原材料争奪戦を生き抜くためには、特定地域や品目に偏った供給網を多角化することが不可欠だ。価格や輸送費で不利でも、中東とは異なるルートの供給先を平時から中長期的に確保すべきである。中東戦争が勃発した後は、カナダ産重質原油、エジプト産ナフサ、ベトナム産尿素などはプレミアムを支払っても確保できない状況となった。

エネルギーと原材料の安定供給は、韓国が世界有数の製造業大国としての地位を維持するための不可欠な条件である。今回崩れたグローバル供給網は戦争終結後も長期間回復しない可能性が高い。中東産ヘリウムや臭素ガスの供給障害が長期化すれば、韓国経済を牽引してきた半導体産業にも打撃が及ぶ恐れがある。政府は供給網の安定が国家安全保障に直結するとの認識の下、企業の調達先多角化の取り組みを支援すべきだ。