米国とイスラエルの大規模な軍事作戦により、イランの最高指導者ハメネイ師が死亡した。神権国家イランを37年間事実上統治してきたハメネイ師が死亡したことを受け、イランは40日間の国家追悼期間を宣言し、3人の暫定指導者による非常体制に入った。米国とイスラエルはハメネイ師の死亡後もイラン全域への爆撃を続け、これに対抗してイランはイスラエルおよび中東内の米軍基地に報復攻撃を加えており、緊張は高まっている。
年明け早々に断行されたベネズエラのマドゥロ大統領の逮捕・移送に続くハメネイ師排除作戦は、米国の利益のためであれば圧倒的な軍事力をいかなるためらいもなく行使し得るというトランプ政権の対外路線を改めて確認させた。トランプ大統領は今回も国際法や国際規範、国内的手続きを徹底して無視した。交渉と空爆の間で予測不能な気まぐれに終始し、10~15日の交渉期限を提示しながら、その期限前に爆撃を強行した。
ハメネイ師の死亡後、世界情勢は視界ゼロの不確実性に陥った。トランプ氏は直ちにイラン国民に向けて「国を取り戻す最も偉大な機会だ」と蜂起を促し、政権交代をイラン内部の問題に委ねた。しかしイラン国内には明確な代替勢力が不在であり、その見通しは大きくない。とりわけトランプ氏の対イラン軍事作戦の目標が明確でないため、今後の軍事介入の水準や範囲によっては、出口なき新たな長期戦争に発展する可能性も排除できないとの指摘が多い。
このように力の論理が支配する荒々しい時代は、韓半島情勢も激しく揺さぶることになるだろう。世界はベネズエラ、イランに続く次の対象がどこになるのか神経をとがらせている。核保有国を自任する北朝鮮といえども例外ではあり得ない。北朝鮮はこれまで以上に頑なに核放棄を拒みつつも、トランプ氏が差し出す対話の呼びかけを無視することはできないだろう。
力の時代は我々にも大きな課題を突き付ける。弱肉強食の各自生存の時代であればあるほど、自強と同盟は一層重要だ。国防力強化と備えに不備がないように万全を期す一方で、唯一の同盟国である米国との歩調が乱れないようにしなければならない。たとえ「ペースメーカー」であっても、一歩間違えば傍観者の身に転落しかねない。韓半島外交の主導権を維持するため、実用を追求する戦略をより精緻に練り上げる必要がある。
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