
イランの最高指導者ハメネイ師が先月28日(現地時間)、米国とイスラエルによる空爆によって殺害された。神権体制国家イランで37年にわたり強権統治を続け、米国とイスラエルに厳しく対峙しながら核・ミサイル開発を主導してきた人物だ。トランプ米大統領は今年1月にベネズエラでマドゥロ大統領を失脚させたのに続き、今回は米国の同盟国イスラエルにとって実存的脅威とみなされてきたハメネイ師をイラン本土での奇襲爆撃により排除した。トランプ政権が「力による秩序」という安全保障戦略を、より強硬な形で誇示しているとの指摘が出ている。世界情勢が先を見通せない「視界ゼロ」の局面に入りつつあるとの懸念も強まっている。
米国とイスラエルは同日、ハメネイ師を含むイラン首脳部が集結していた施設などを同時爆撃した。両国は今回の作戦をそれぞれ「エピック・フューリー(圧倒的な怒り)」「ローリング・ライオン(ほえる獅子)」と命名。イラン国営メディアは、ハメネイ師のほかに娘や娘婿、孫娘らも死亡したと伝えた。「政府の上の政府」「ハメネイ師の親衛隊」と呼ばれる精鋭軍事組織イラン革命防衛隊の総司令官ら中枢関係者も多数死亡したという。
トランプ氏は空爆後、「われわれの目標は差し迫ったイランの脅威を除去し、米国民を守ることだ」とし、イランの核能力を完全に無力化することが最優先目標だと明言した。また「これはイラン国民のための正義だ。イラン国民が自らの国を取り戻すまたとない機会だ」と強調した。今回の空爆がイランの心臓部を突いて指揮体制の分裂を狙うだけでなく、体制転換まで念頭に置いたものであることを示唆した。
また、イランは「わずか1日で壊滅状態になった」とし、「精密爆撃は今週を通じて大規模に行われる。必要であればそれ以上、中断なく続ける」と警告した。イスラエルもハメネイ師殺害翌日の1日、イラン国内の弾道ミサイル施設などを標的に空爆を続けた。
イランは先月28日、米国とイスラエルの攻撃を受けてから約1時間後、イスラエル主要都市やバーレーン、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)などにある米軍基地14カ所にドローンとミサイルを発射し反撃した。
一方で、ハメネイ師を失ったイランが報復の水準を抑えつつ米国との妥協案を模索するとの観測も出ている。イランのアラグチ外相は同日、米NBCテレビのインタビューで「自国を守ることに限界はない」としつつ、「(米国が)侵攻を止めれば、われわれも防衛を止める」と述べた。
申晋宇 niceshin@donga.com · 柳根亨 noel@donga.com






