北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が、韓国を敵と規定する「敵対的2国家論」の永久化を宣言した。北朝鮮メディアが26日に報じた第9回党大会の総括報告で、正恩氏は「韓国は永遠の敵だ」とし、同族という範疇から永遠に排除すると述べた。その一方で米国に対しては、核保有国としての地位を尊重し、対北朝鮮敵視政策を撤回するなら「うまくやれない理由はない」として対話の意思をにじませた。トランプ米大統領の3月末の訪中を前に、米朝首脳会談の条件を提示した格好だ。
正恩氏の発言は、韓国政府が南北関係改善に向けて相次いで打ち出してきた対北朝鮮信頼措置にもかかわらず、韓国に対する断絶政策を改める意思がないことを明確にしたのだ。正恩氏が敵対的2国家論を初めて掲げたのは2023年だが、今回は北朝鮮の戦略路線を5年ごとに決定する最高意思決定機関である党大会で、その方針を事実上固定した。さらに韓国政府の融和政策を「欺瞞劇」と非難し、「韓国の完全崩壊」、すなわち韓国に対する核攻撃の可能性まで示唆した。
米国に対しては対話の余地を残しつつも、核保有の容認を求める姿勢は変わらなかった。正恩氏は昨年9月の最高人民会議の演説でも同様の立場を示した。その翌月、韓国を訪れたトランプ氏が米朝首脳会談を提案したが、北朝鮮は応じなかった。今回も、自身との会談を望む姿勢を示してきたトランプ氏に対し、まず核保有国としての承認を差し出すよう迫ったものと解釈できる。北朝鮮を「核保有国」と呼ぶトランプ氏が、その論理に取り込まれないようにすることが、韓国政府の差し迫った課題となった。
韓米の非核化原則に亀裂を入れようとする北朝鮮のこうした「通米封南」の離間策に対処する最も効果的な方法は、韓米同盟が隙を見せないことだ。だが最近、韓米は合同軍事演習などをめぐり摩擦を見せているうえ、韓国政府内部でも対北朝鮮政策を巡って自主派と同盟派の間で意見の相違が表面化している。外交部が主導した韓米間の対北朝鮮政策協議体も、統一部の反対で昨年12月の初会合以降、進展がない。今からでも大統領府国家安保室レベルで米ホワイトハウスと細部まで政策調整を本格化させる必要がある。そうしてこそ、トランプ氏による即興的な核の直接取引というリスクを未然に防ぐことができる。
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