
2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪の取材期間中、記者が最も頻繁に行き来する場所は、メインプレスセンター(MPC)だ。MPCにつながる地下鉄駅は、1号線のアメンドラ駅と5号線のポルテッロ駅。そのポルテッロ駅で目を引いたのは、路線案内図の横の壁一面を覆うイラストだった。2018年平昌(ピョンチャン)冬季五輪に出場したショートトラック選手たちが、コーナーを駆け抜ける躍動的な姿が描かれている。
近づいてみると、「2018年平昌冬季五輪ショートトラック男子1000メートル準決勝」の場面だった。ホームドアの上には「The Republic of Korea」と数字の「53」が記されている。隣には「11」という数字とともに、イタリアのショートトラック英雄、アリアンナ・フォンタナの名前が刻まれていた。冬季五輪ショートトラックで通算最多メダルを獲得した国(韓国)と、個人として最多メダルを持つ選手(フォンタナ)を示したものだ。
ホームドア周辺のグラフィックは、ショートトラックの五輪史をたどる内容となっていた。種目別メダリストの一覧には、見慣れた韓国人選手の名前が並ぶ。とりわけ目を引いたのは、「ショートトラックの女王」で、今大会の韓国選手団女子主将を務める崔玟楨(チェ・ミンジョン)だった。崔玟楨は2018年平昌大会と2022年北京大会を通じ、五輪通算で金メダル3個、銀メダル2個を獲得している。
韓国国籍とロシア国籍の両方で金メダルを獲得した安賢洙(ロシア名ビクトル・アン)の名もあった。国籍を変更して複数の五輪に出場した選手の名前には「*」が付され、「An Hyun‐soo*」と「Viktor An*」が併記されていた。
男子1500メートルの金メダリストとしては、中国に帰化した林孝埈(イム・ヒョジュン)と黄大憲(ファン・デホン)の名前が並んでいた。林孝埈は平昌大会で、黄大憲は2022年北京大会で、それぞれこの種目の金メダルを獲得した。林孝埈は、性加害問題をめぐり黄大憲と法廷闘争に発展した末、中国への帰化を選択した。2人はは今回の五輪で、平昌大会以来8年ぶりに「敵」として相まみえる。
壁面を見渡していた記者と目が合った欧州の放送局記者は、「反対側にもありますよ。ミラノで開催される氷上競技4種目(スピード、ショートトラック、フィギュア、アイスホッケー)がすべてそろっている。こんなのは初めて見ました」と話した。各競技の五輪情報や迫力ある写真を見て回るだけで、20分近くかかった。
こうした華やかなイラストは、五輪博物館「イエス・ミラノ」とミラノ地下鉄5号線が協業して制作したものだ。大会中にミラノを訪れる韓国人がいれば、一度足を運び、自国選手の歩みを誇らしく感じてみてはどうだろうか。
任寶美 bom@donga.com






