
世界の政治・経済リーダーが集う年次会合、世界経済フォーラム(WEF、ダボス会議)が、米大統領や閣僚、政治家による「政争の場」に転落しているとの指摘が出ている。トランプ米大統領が欧州主要国首脳の前でグリーンランド併合への野心をあらわにしたうえ、ラトニック米商務長官が欧州のエネルギー政策を軽視する発言を行い、強い反発を招いたためだ。
英紙フィナンシャル・タイムズによると、ラトニック氏は20日、スイス・ダボスで開かれたフォーラム年次総会の夕食会での演説で、再生可能エネルギーより石炭に力を入れるべきだと主張した。欧州が温室効果ガス削減のため、持続可能性に欠ける風力や太陽光発電に依存しているとして、厳しく批判した。気候変動対策として石炭や石油といった化石燃料の段階的廃止を進めてきた欧州の努力を真っ向から否定する内容だった。
トランプ氏も、昨年のダボス会議でのオンライン演説で、「米国ほど石炭を豊富に持つ国はなく、石炭はコストも安い」と述べ、石炭を主要エネルギー源として持ち上げている。多国間貿易と並び、気候変動対応を重視してきたダボス会議の理念を無視する姿勢だ。
ラトニック氏の発言が続く中、環境運動家として知られ、地球温暖化の危険性を訴えてきたアル・ゴア元米副大統領が、面前であからさまなヤジを飛ばした。ゴア氏は「トランプ政権のエネルギー政策がばかげていると考えていることは、公然の事実だ」としたうえで、「ラトニックの演説が終わった時、私は率直に感情を示した。他にも同じ反応を示した人は多かった」と語った。これに対し米商務省は「ヤジを飛ばしたのは1人だけで、それがゴアだった」と反論した。
演説の途中で、クリスティーヌ・ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が席を立つ場面も目撃された。最終的には、ダボス会議の臨時共同議長として夕食会を主催したラリー・フィンク・ブラックロック会長が、騒然とした会場を収めるのに苦心したという。
トランプ氏の演説内容に対する批判も相次いだ。トランプ氏は演説で「米国以外にグリーンランドを安全に守れる国はない」と述べた。米民主党の次期大統領候補の一人と目されるギャビン・ニューサム・カリフォルニア州知事は、「驚くほど退屈で、無意味だった」と酷評した。民主党のアンディ・ベシア・ケンタッキー州知事も「危険で無礼、正気とは思えない内容だった。友人と呼ぶべき世界の指導者を嘲笑し、声色を真似る姿まで見せた。米国人として本当に恥ずかしい」と痛烈に批判した。こうした緊迫した空気とは裏腹に、今年のダボス会議の公式テーマは「対話の精神」だった。
チャン・ウンジ記者 jej@donga.com






