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アトラスが突きつけた、未来への「不都合な」問い

アトラスが突きつけた、未来への「不都合な」問い

Posted January. 23, 2026 10:30,   

Updated January. 23, 2026 10:30


世界最大級のIT見本市「CES 2026」は幕を閉じたが、最近は誰と会っても話題の始まりも終わりも、ヒューマノイド(人間型ロボット)「アトラス」だ。現代(ヒョンデ)自動車は、ロボティクス子会社であるボストン・ダイナミクスが披露したアトラスを前面に押し出し、「フィジカルAI企業」としてのビジョンを提示。時価総額100兆ウォンの大台を軽々と突破した。5日(現地時間)に公開されたアトラスの姿は、それほどまでに衝撃的だった。うつ伏せの状態から立ち上がる動作、自然な歩行、肩や膝の関節を180度以上回転させる動き。見た目が派手なだけではない。物を持ち上げて頭上に運ぶ、ネジを締めるような動作は、工場で働くアトラスの将来像を十分に納得させるものだった。

ヒューマノイドの公開自体が初めてというわけではない。とりわけ中国のロボット企業が披露してきたヒューマノイドは華やかだった。「カンフー」や「ダンス」で人目を引いたが、工場で今すぐ使えるのかという問いには答えられなかった。その点、アトラスのロードマップは明確だ。製造現場で繰り返し作業を遂行できる能力を示し、投入時期を2028年と具体的に提示したうえ、適用先も米ジョージア州の電気自動車専用工場「メタプラント・アメリカ」と特定した。技術がそのまま「労働」へ転換されることを、はっきり示したのである。

しかしアトラスは同時に、私たちの未来に対する不都合な問いも投げかける。アトラスは休まず、同一品質の労働を24時間提供できる。賃上げ要求も、成果給の交渉もない。いわゆる「黄色い封筒法」(労組法2・3条改正案)より強力な法律が施行されても、争議の主体になることはない。そうしたロボットと人間が、同じ現場で共に働き、さらには競争することは可能なのか。

テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は今月、ポッドキャスト番組「ムーンショット」に出演し、「3年以内にヒューマノイドが医師を代替できる」と述べ、「医学部に行くな」とまで語った。「ロボットが肉体労働を担い、人類はAIの思考力と競う時代が来る」とも断言した。こうした発言がどこまで速く現実になるのかは測りがたく、過度な恐怖に陥る必要はない。だが、人間の役割が変わらざるを得ないことだけは明らかだ。ヒューマノイドの波の前で、人間労働の競争力は速度や体力にあるのではない。判断、責任、そして例外的状況への対応能力に尽きる。「手足」の労働から「意思決定と管理」の労働へ移行できない領域は、急速に代替されていくほかない。教育課程の再設計を、これ以上先送りできない理由である。

労働組合も岐路に立っている。3月の黄色い封筒法施行を前に春闘戦線の拡大が予告されているが、本当に恐れるべき存在は、人間に酷似したロボットなのかもしれない。しかもロボット導入を阻む戦略は長続きしない。技術は抵抗すればするほど、より速く迂回路を見つけるからだ。すでにアマゾンの物流センターには100万台以上のロボットが配備され、メルセデス・ベンツの生産ラインにもロボットが導入されている。労組の役割も、「人間の役割をどう再定義するか」「ロボット以後の労働をどう設計するか」へと軸足を移さねばならない。

私たちは、どの労働を守り、何を変えるのか。2026年1月、アトラスが突きつけたこの不都合な問いから、目をそらしてはならない。