
「フィギュアプリンス」車俊煥(チャ・ジュンファン、25)は、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪のフィギュアスケート男子フリーで着用する衣装を、17日になってようやく公開した。本番(2月14日)まで1カ月を切った時点だった。車俊煥はまた、代表選考会を終えた翌日の5日、フリーの演技音楽を「ムーラン・ルージュ」オリジナルサウンドトラック(OST)から、前季に使用していた「狂人のためのバラード(ロコ)」へ変更する決断も下した。
フィギュア選手は通常、数年前から「五輪シーズン」に向けて準備を進める。国際スケート連盟(ISU)主催大会を重ねながら、審判の採点傾向を分析し、プログラムの完成度を高めていく。その点で、今回の車俊煥の決断は異例と言える。
車俊煥は「(五輪まで)残された時間が多くないだけに悩みは深かったが、決断は早かった」とし、「五輪は4年に一度。『この舞台をどんな瞬間にしたいのか』を最優先に考えた」と語った。
また、「映画『ムーラン・ルージュ』がとても好きで、収録曲の『The Show Must Go On(ショーは続く)』や『Come What May(何があっても)』の歌詞にも力をもらった。ただ、自分の内面を本当に率直に見せられるのはロコだった」と説明した。
ロコを使用した車俊煥のフリー演技は、前季のISUアワードで最優秀プログラム賞、最優秀衣装賞の両部門で最終候補に選ばれた。衣装も赤から白に変更した。プログラムの軸足を「情熱」よりも「告白」に置いたためだ。
車俊煥は「前季は感情を燃やすような爆発的イメージで構成していたが、改めて聴くと、ミルヴァの歌声が内面を告白する切実な叫びのように感じられた」と話す。
五輪に向かう道のりも、「華やかさ」より「叫び」に近い。当初、車俊煥は今大会で最高難度の4回転(クワッド)ジャンプをショートとフリーで最大5本組み込む構想だった。
しかし、ブーツが足を引っ張った。昨年この時期に履いていたブーツが最も足に合っていたため、同条件で4足を注文したところ、サイズがすべて異なっていた。メーカーは「同じ仕様で作った」と説明したが、新しいブーツは従来のオーダーメードインソールが入らないほどサイズ感に差があった。
車俊煥は今年の選考会を前に、ブーツを11足も替えた。氷上でジャンプを繰り返すフィギュアでは、ブーツの足首の支持力がジャンプの完成度を左右する。最終的に、五輪ではクワッドをコンビネーションなしの単発で跳ぶ判断に至った。
「本当に悔しい。(ブーツが合わない)問題で2カ月以上を費やした。現実的に十分な練習ができたのは、今月の選手権直前からだった。準備の整っていない挑戦は無謀だ。残された時間で可能な練習を考え、今のプログラムで完成度を高めて勝負したい」
車俊煥は昨年のハルビン冬季アジア大会でも、思うようにクワッドを跳べなかったが、「3クワッド構成」で完成度の高い演技を披露し、韓国男子として初めて金メダルを獲得した。五輪前最後の実戦となる四大陸選手権に出場するため、車俊煥は20日、中国・北京へ出発する。2022年大会で韓国男子初優勝を果たしたこの大会で、3大会連続のメダルを狙う。
任寶美 bom@donga.com






