
教育部は2010年代初めから科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)の頭文字を取った、いわゆる「STEM」教育を推進してきた。融合型人材育成の重要性は共有され、教員研修や教材開発、成果発表会などが行われているものの、大学入試の壁に押され、公教育全体への浸透は十分とは言えない。
韓国科学創意財団などが作成した「融合教育の教授・学習資料」には、授業現場で活用できる内容が少なくない。例えば小学校3年生の理科で「音の性質」を学ぶ際、理科にとどまらず、数学、社会、美術と関連付けて指導する。騒音問題が深刻な対立要因となった新聞記事などを教材に授業を行ったうえで、騒音計を使って音の大きさを測る単位を学ぶ、といった形だ。児童たちは教室や給食室、運動場などで実際に騒音を測定し、その結果を表やグラフにまとめて数学の資料と結び付ける。社会科や国語の時間には、騒音を減らす方法について話し合い、解決策を文章にまとめることもできる。
すでに効果的に取り入れている学校もある。ソウルのケナム小学校では、3年生の算数でコンパスを使った円の描き方を学び、美術の時間には円を用いた作品づくりを行った。4年生にはレタスの苗を植え、生長の過程を観察・記録させ、社会科では環境配慮型農業の利点や、農作物が食卓に届くまでの流れを学んだ。
同校は2024年だけで41件のSTEMプログラムを運営した実績が評価され、教育部長官賞を受賞した。ヤン・スヨン理科情報部長は「校内クラブをつくり、放課後に理科と美術を連携した融合教育を行った。近隣の高齢者福祉センターの高齢者を招き、コンピューターで生活用品を一緒に作る活動も行った」と話す。
教具を活用すると、STEM教育の効果はさらに高まる。ソウルのハゲ中学校に設けられた北部数学・科学融合教育センターでは、数学や理科の授業でブロックを組み立てて構造物を作り、ビー玉の動きを体験できる教具「グラビトラックス」を導入している。生徒はピタゴラスの定理を使ってコースの長さを測り、どの程度のカーブならビー玉がゆっくり転がるかを考える。センターに参加した白雲(ペクウン)中学校のイ・ソンヨン教諭は、「教科書や問題集で数学を教えていた時は苦労する生徒が多かった。しかし、興味深い教具を活用すると、教室では笑いが絶えなかった」と語った
入試色の強い一般高校や外国語高校では、STEM教育を主に校内クラブで実施し、比較的入試の制約が少ない特性化学校では正規課程に組み込む例もある。工業系の特性化学校であるソウル未来産業科学高校では、数学と情報科目を連携した融合授業を行っている。気象庁や統計庁のデータを活用し、降水確率に応じて傘を持つ確率を計算するなど、日常生活に密着した課題に取り組む。キム・ジョンテ教諭は「情報科目でコンピューターを学ぶ際に、数学が不可欠だと生徒自身が気付くよう導いている。STEM教育がさらに活性化すれば、生徒たちが将来の進路を見つける上で大きな助けになる」と話した。
キム・スヒョン記者 キム・ミンジ記者 newsoo@donga.com






