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トランプ政権、FRB議長に捜査通告 パウエル氏「政権による脅威」

トランプ政権、FRB議長に捜査通告 パウエル氏「政権による脅威」

Posted January. 13, 2026 10:29,   

Updated January. 13, 2026 10:29


米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が11日、トランプ政権から刑事起訴を前提とした捜査の通告を受けたと明らかにした。利下げ要求に応じないとしてパウエル氏に圧力をかけ続けてきたトランプ氏が、次期議長指名を前に、いわゆる「反対派排除」に動いたのではないかとの見方が出ている。

専門家の間では、FRBは大統領を含む政治から独立して金融政策を決定してこそ、市場のゆがみを招かずに物価と雇用の安定を実現できるとされてきた。しかし、トランプ政権がFRB議長への捜査に踏み込んだことで、FRBの独立性に対する市場の信頼が損なわれかねないとの懸念が広がっている。

●パウエル氏、やつれた姿で異例の「決意の反論」

パウエル氏は同日午後、FRBの公式サイトに掲載した動画で、「9日、司法省がFRBに対し大陪審の召喚状を出した」とし、「昨年6月、上院銀行委員会で証言したFRB本部ビルの改修工事をめぐり、虚偽の有無に応じて刑事訴追を検討しているという内容だ」と明らかにした。

トランプ氏は、利下げに応じないパウエル氏の解任を示唆した後、昨年夏以降はFRB本部の改修工事を攻撃の焦点に据えてきた。工事費が当初予算を約7億ドル超過したと批判し、自ら現場を視察したこともある。

パウエル氏は動画で、「今回の新たな脅しは、私の昨年6月の証言や建物改修とは何の関係もなく、単なる口実だ」と強調し、「本当の理由は、FRBが大統領の意向に従わず、公共の利益に基づいて金利を決定したことにある」と指摘した。「前例のない今回の措置は、政権による脅威と継続的な圧力という、より広い文脈で捉えるべきだ。FRBの金融政策が政治的圧力や脅迫によって左右されるのかという問題だ」と述べた。また「公職生活は、時には脅威に屈せず毅然と立ち向かうことを要求する。与えられた任務を誠実に履行し、米国国民のために献身する」と述べ、任期を全うする考えを示唆した。パウエル氏の議長任期は今年5月までで、理事としての任期は2028年1月までとなっている。

動画に映るパウエル氏は、眼鏡を外し、やややつれた印象で、公に強い言葉で訴えるのは異例だった。パウエル氏はこれまで、トランプ氏の度重なる攻撃にも発言を控えてきた。

●トランプ氏「私は知らない」 共和党からも批判の声

トランプ氏は米NBCのインタビューで「(パウエル氏への捜査について)何も知らない」と述べ、自身の関与を否定した。一方で「パウエル氏はFRBの運営にも建設にも長けていなかった」とし、「問題は金利が高過ぎることだ」と付け加えた。

パウエル氏に対する捜査については、民主党だけでなく共和党からも批判が出ている。上院銀行委員会のトム・ティリス議員(共和党)は「FRBだけでなく、司法省の独立性と信頼性にも疑問が生じている」と指摘。同委員会の民主党筆頭委員であるエリザベス・ウォレン議員は「トランプ氏はパウエル氏を追い出し、操り人形を据えて米中央銀行を腐敗させようとしている」と批判した。

米紙ニューヨーク・タイムズは、捜査開始と起訴に足る証拠の立証は別問題だとして、政治的試みに終わる可能性もあると指摘した。トランプ政権は以前にも、住宅ローン申請を巡る不正を理由にFRB理事のリサ・クック氏の解任を決めたが、訴訟で1、2審ともクック氏が勝訴している。


林雨宣 imsun@donga.com