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年の瀬を温める天使たち、匿名寄付が過去5年で最多

年の瀬を温める天使たち、匿名寄付が過去5年で最多

Posted December. 31, 2025 10:32,   

Updated December. 31, 2025 10:32


年の瀬が近づくと、全国の住民センターや救援団体では、幸せな「かくれんぼ」が繰り広げられる。貧しい隣人のために、米袋やラーメン、現金の入った封筒をそっと置いて立ち去る「天使」と、その正体を確かめて感謝を伝えようとする職員とのやり取りだ。防犯カメラを設置し、配送業者をたどっても、天使の顔が明らかになることはほとんどない。「誰だか分かったら二度と来ない」という人もいる。今年は、名を明かさない篤志家が例年にも増して増えたという。

大韓赤十字社によると、今月10日までに集まった今年の寄付金1914億ウォンのうち、匿名寄付は367億ウォンと全体の19.2%を占め、過去5年で最多だった。社会福祉共同募金会(愛の実)でも、1億ウォン以上の高額寄付者のうち匿名は過去5年で586人、全体の15%に達する。ユニセフ韓国委員会も、過去5年で31人が計14億ウォンを超える寄付金を名前を明かさず寄付したと明らかにした。今年3月の慶尚北道(キョンサンプクト)の山火事、7月の「怪物豪雨」による各地の土砂災害など大型災害が相次ぐ中、「ニュースを見て心が痛んだ」として、匿名の善意が続々と寄せられたという。

匿名寄付者の姿は多様だ。廃品を拾って生計を立てる人から、億単位の寄付を行う篤志家までいる。釜山(プサン)北区には、古紙を集めたお金でキムチと3万~4万ウォンの現金を届ける「徳川洞(トクチョンドン)の天使」がいる。忠清南道論山市(チュンチョンナムド・ノンサンシ)の「背の高いおじさん」は、妻の故郷の子どもたちのため、25年間で12億ウォンを超える寄付を続けてきた。慶尚南道居昌郡(キョンサンナムド・コチャングン)では、父の代からの寄付を息子が引き継ぎ、20年以上にわたり米袋とラーメンをトラックで運ぶ「7人の天使たち」が有名だ。済州・西帰浦市(チェジュ・ソグィポシ)には27年間、米を届け続ける「ノゴロクおじさん」もいる。「ノゴロク」は済州方言で「豊か」という意味だ。支援を受けた人々は「名節や年末になると、寂しさより心豊かな気持ちになる」と感謝した。

専門家たちは、善行を隠す理由について、寄付者自身よりも受益者や困難な状況に光を当てようとする配慮だと分析する。特に大規模災害や経済危機の局面では、「自分より苦しい他者」を助けようとする連帯意識が強まる。今年も厳しかったが、来年は「さらに厳しい」との見通しもある。それでも、年末を迎え、ソウル・光化門(クァンファムン)広場に設置された「愛の温度塔」は、ゆっくりと温度を上げている。