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韓国型AI開発、大手5社が真剣勝負

Posted December. 31, 2025 10:35,   

Updated December. 31, 2025 10:35


「白くて小さなウサギを作ってください」

30日午後、「独自のAI基盤モデルプロジェクト」の第1次発表会が開かれたソウル江南区(カンナムグ)のCOEX。会場のロビーに設けられたNCの人工知能(AI)体験ブースのモニターにこの文を入力すると、姿が少しずつ異なる4匹のウサギが画面に現れた。1匹を選び、「T字ポーズに変えて」と入力すると、両腕を広げたウサギが表示され、約1分後には3次元グラフィックの立体画像へと変換された。後頭部やしっぽまで、360度から確認できる。さらに「アニメーション」タブで顎や肩、肘、脊椎などの部位を指定し、「ダンス」を選ぶと、関節を曲げながら踊るウサギが画面上に表示された。

科学技術情報通信部(科技部)が、世界最先端水準の韓国型AIの開発を目指して進める独自AI基盤モデルプロジェクト。今年8月の専門家評価を経て選ばれたネイバークラウド、LG AI研究院、SKテレコム、NC AI、アップステージの精鋭5チームが30日、これまでに開発したAIを初めて説明し、実演した。「国家代表AI」の選抜を巡る真っ向勝負に、会場は人であふれた。裵慶勳(ペ・ギョンフン)副首相兼科技部長官は「AI3大強国になるための最初の関門は、独自AI基盤モデルを世界最高水準に引き上げることだ」と強調した。

最初に登壇したのはネイバークラウドだ。ネイバーが重視するのは「オムニモーダルAI」。学習段階からテキストや画像、映像などを同時に学習し、多様な形式の結果を出力できる「ハイパークロバ・シード8Bオムニ」を披露した。あらゆる情報を一度に処理する人間の「脳」に近い構造だという。高性能推論モデル「ハイパークロバ32Bシンク」も公開した。このモデルは、今年の大学修学能力試験で国語、数学、英語、韓国史など主要科目すべてで1等級を獲得した。金代表は「図表や画像もまとめて理解できたからこその結果だ」と説明した。

続いてNC AIは、3次元グラフィックの生成や視覚情報処理など、ゲーム事業で蓄積した資産を活用し、産業AX(AI転換)に適用する戦略を示した。スマートファクトリーなど産業分野で用いるAIには、3次元グラフィックが不可欠だという。NC AIのイ・ヨンス代表は「戦略産業がAIという翼を得て、世界の舞台で一段と飛躍できるようにしたい」と語った。

SKテレコムは、パラメーター5000億個の超巨大AIモデル「A.X.K1」を公開した。パラメーター数では国内最大規模となる。今年8月に公開されたオープンAIの「チャットGPT5」は、約2兆5000億個と推定されている。

LG AI研究院は、「K-エクサワン」が性能と経済性を兼ね備えたモデルだと強調した。LGは、米中の最先端AIのうち、パラメーター2360億個で規模が近い、アリババの「Qwen3 235B」を第1次性能目標に据えた。唯一のスタートアップであるアップステージは、韓国の文化や微妙なニュアンスを理解する「ソーラー・オープン100B」モデルを披露した。

政府は第1次評価の結果を来年1月15日までに公表する。5チームのうち1チームが最初に脱落し、その後は6カ月ごとに1チームずつ絞り込み、2027年上半期(1~6月)には最終的に2チームに選定する。最終選定チームには、AIモデル高度化のためのグラフィック処理装置(GPU)などの計算資源や、データ構築・加工費として、年間30億~50億ウォン規模の支援が行われる予定だ。


チョン・ヘジン記者 チェ・ジウォン記者 sunrise@donga.com