
「国民の目が届かない幕の裏で、違法に国政に介入していた事実を確認した」
尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の妻の金建希(キム・ゴンヒ)氏をめぐる一連の疑惑を捜査している金建希特別検察官(特検=閔中基)は29日、最終捜査結果を発表し、金氏の国政介入疑惑についてこのように判断した。特検はまた、「大統領の配偶者が、歴史書でしか見られないような現代版の売官行為を行っていた」とし、金氏が約3億7725万ウォン相当の金品を受け取ったと判断した。ただし、金氏と尹氏との事前共謀の有無については、定められた捜査期間内に解明できなかったとして、収賄容疑に関する捜査は警察庁国家捜査本部に引き継いだ。
閔中基特検は同日、特検事務所のあるソウル鍾路区(チョンロク)のKT光化門(クァンファムン)ビル・ウエストで自ら記者会見に臨み、「金氏は大統領配偶者という立場を利用して高額の金品を容易に受け取り、各種人事や公認にも幅広く介入した」とし、「配偶者による権限乱用によって、大韓民国の公的システムは大きく毀損された」と述べた。金建希特検は7月から今月28日までの180日間にわたって捜査を行い、金氏ら20人を起訴した。
特検は、金氏が2021年11月に尹氏が「国民の力」の大統領候補に選出されて以降、大統領就任後の期間にかけて、集中的に金品を受領していたと明らかにした。特検は「共通点のない多様な人々が、大統領ではなく金氏を訪ねて要望を持ち込み、要望どおりに実現された」と述べた。
また特検は、夫妻を「政治的共同体」と規定した。政治ブローカーのミョン・テギュン氏から、夫妻が世論調査結果を無償で受け、公認に介入したとの疑惑を捜査した呉政姫(オ・ジョンヒ)特検補は、「金氏は尹氏の政界入りの段階から主導的な役割を果たしており、その延長線上で、大統領当選後も公認に積極的に関与するなど、『政治的共同体』として活動してきたことが明確に表れた」と述べた。
特検はさらに、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が、韓日海底トンネルなどの懸案に関する請託のため、「コンジン法師」ことチョン・ソンベ氏を通じて金氏や尹政権関係者らに接触し、金品を提供したと明らかにした。一方、旧統一教会のユン・ヨンホ元世界本部長から「民主党の田載秀(チョン・ジェス)議員と林鍾声(イム・ジョンソン)前議員に金品を渡した」との供述を確保しながら捜査に着手しなかったとする「偏向捜査疑惑」については、「特検法上、時間的・物的・人的な関連性が認められず、捜査対象に当たらないと判断した」と説明した。また、特検の捜査を受けていた楊平(ヤンピョン)郡の公務員が自ら命を絶った件について、文鴻周(ムン・ホンジュ)特検補は「担当捜査チームとして、改めて遺族に哀悼の意を伝えたい」と述べた。特検は、ソウル・楊平高速道路のルート変更疑惑など、捜査期間内に結論を出せなかった案件については、警察に引き継いだ。
ソン・ジュンヨン記者 コ・ドイェ記者 hand@donga.com






