
内乱事件を担当する趙垠奭(チョ・ウンソク)特別検察官(特検)は26日、尹錫悅(ユン・ソクヨル)前大統領に対し懲役10年を求刑した。大統領警護処を動員し、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の逮捕状執行を妨害した容疑などで7月19日に起訴されてから、160日が経った。尹氏が起訴された7件の事件のうち1審の弁論手続きが初めて終結した。
ソウル中央地裁刑事合議35部(白大鉉部長判事)で開かれた結審公判で、特検は「尹氏は自身の犯罪を隠蔽・正当化するために職権を乱用し、国家機関を私物化するという重大犯罪に及んだ」と述べた。さらに「法秩序を守るべき頂点にある人物が、反省するどころか違法性の隠蔽に終始している」とし、「損なわれた法治主義を立て直し、憲政秩序を踏みにじる事態が再び起こらぬよう厳重な責任を問うべきだ」と強調した。懲役10年の求刑は、1審で言い渡し可能な法定刑の上限である懲役11年3カ月に近い。
尹氏側は「公捜処による違法な逮捕状執行に抵抗したにすぎない」として無罪を主張した。非常戒厳当日の閣議に一部の閣僚のみを招集し、審議・議決権を侵害したとの指摘についても、「閣議は大統領の国政運営を補佐する諮問機関にすぎない」として容疑を否認した。紺色のスーツ姿の尹氏は、被告人席に座って審理を見守った。1審判決は来年1月16日に言い渡される。
コ・ドイェ記者 ヨ・グンホ記者 yea@donga.com






