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『パチンコ』の作家イ・ミンジン氏、米ニューヨーク市長就任式を共同主催

『パチンコ』の作家イ・ミンジン氏、米ニューヨーク市長就任式を共同主催

Posted December. 27, 2025 11:01,   

Updated December. 27, 2025 11:01


来年1月1日から4年間、米国最大の都市ニューヨークを率いることになるインド系イスラム教徒のマムダニ次期ニューヨーク市長(34)が、小説『パチンコ』で知られる韓国系米国人作家のイ・ミンジン氏(57)を就任委員会の委員に委嘱した。

マムダニ氏のニューヨーク市長引き継ぎ委員会は25日(現地時間)、イ氏を含む就任委員会委員48人の名簿を公表した。ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』で知られる俳優シンシア・ニクソン氏や、映画『レイジング・ブル』に出演した俳優ジョン・タトゥーロ氏など、文化・芸術界の関係者が多数名を連ねた。委員会側は、「48人のニューヨーク市民はいずれも創意性とリーダーシップ、多彩な人生経験をもつ」とし、新市長の市政運営に大きな助けになるとの期待を示した。

マムダニ氏は米東部時間の1日午後1時(韓国時間2日午前2時)に、マンハッタンのニューヨーク市庁舎前で就任宣誓を行う予定だ。イ氏を含む就任委員会委員らが就任式を共同主催する。

イ氏は1968年にソウルで生まれ、76年に家族とともにニューヨークへ移住した。イェール大学歴史学科、ジョージタウン大学ロースクールを卒業した。日系米国人の夫と結婚し、2007年から数年間、日本で暮らした。この時期に、在日コリアン家族の人生を描いた『パチンコ』の着想を得たという。

当時、在日コリアンを数多く取材し、植民地期から1980年代までの韓国近現代史を掘り下げた。2017年に出版された『パチンコ』は、その年の「ニューヨーク・タイムズ今年の本」に選ばれ、近年はApple TV+でドラマ化され、大きな反響を呼んだ。初の長編小説『億万長者のただ食らい』(2007年)も、韓国系移民家庭で育った青年を主人公としている。

イ氏は、米国社会で広がるアジア系への憎悪に対し、積極的に声を上げてきた。21年3月にはニューヨーク・タイムズへの寄稿で、「多くの人が、自分では変えられない属性を理由に軽蔑され、拒否されている」と指摘し、移民への嫌悪感情を批判した。少数者や移民の問題を追い続けてきた姿勢は、自らを「民主的社会主義者」と称するマムダニ氏の政治路線と重なる部分が多いとの見方もある。マムダニ氏は、「アフォーダブル NY(手頃に暮らせるニューヨーク)」を掲げ、公共住宅の家賃凍結、無料バス、無償保育、公共食料品店の導入などの政策を打ち出している


林賢錫 lhs@donga.com