Go to contents

AI活用のSNS全数分析 短期旅行者にも拡大か

AI活用のSNS全数分析 短期旅行者にも拡大か

Posted December. 27, 2025 11:00,   

Updated December. 27, 2025 11:00


米国のドナルド・トランプ政権が、短期滞在者を対象とするビザ免除電子渡航認証(ESTA)の申請時に、直近5年間のソーシャルメディア(SNS)利用履歴の提出を義務づける方針を示したことで、実際の審査過程に人工知能(AI)を活用した分析プログラムが導入される可能性が高まっている。

米国土安全保障省傘下の税関・国境警備局(CBP)は10日(現地時間)、ESTA申請手続きの強化方針を発表した。これにより、申請者は直近5年間に使用したSNSアカウント情報を提出する必要がある。CBPはまた、必要に応じて、直近5年間に使用した電話番号、直近10年間の電子メールアドレス、家族構成員の個人情報、顔画像や指紋、DNA、虹彩などの生体情報の提出を求める場合があるとしている。

すでに外国人留学生を対象に、AIでSNS履歴を分析し、ビザを取り消す事例も現れている。米国務省が3月初め、AI基盤プログラム「摘発およびビザ取り消し(Catch and Revoke)」の運用を公式化したためだ。このプログラムは、留学生のSNS活動を全数調査し、パレスチナ武装組織ハマスに同調したり、反ユダヤ主義的傾向を示した事例を選別する。国務省によると、この手続きを通じ、約1カ月で300人余りのビザが取り消された。

専門家の間では、膨大な個人情報を人手で個別に確認するのは現実的ではないとして、AI基盤プログラムの活用が、留学生の検証を超えて入国審査にまで拡大する可能性が高いとの見方が出ている。ソウル女子大学情報保護学科の金明柱(キム・ミョンジュ)教授は、「国家安全保障を前面に掲げるトランプ政権の政策基調を踏まえると、留学生を対象に運用されているAI基盤プログラムが、今後は短期訪問者にまで適用が拡大される可能性を排除できない」と指摘した。

一方で、ビザ審査過程における手続き的補完が必要だとの声も上がっている。嘉泉(カチョン)大学法学科の崔景津(チェ・ギョンジン) 教授は、「自動化されたAIの判断に過度に依存すれば問題が生じかねない」とし、「ビザは一度却下されると回復が事実上困難な決定である以上、却下理由の説明や誤判定の可能性に対する釈明、再審査を求める手続きがあわせて保障されるべきだ」と強調した。欧州連合(EU)は、AI判断を全面的に機械に委ねないよう制度的に統制している。AI法(AI Act)は、生体認証、移住、司法、採用など基本権に重大な影響を及ぼすAIを「高リスクAI」と定義し、監督者の指定やログ記録義務を通じて、人間による管理責任を明示している。


チェ・ヒョジョン記者 hyoehyoe22@donga.com