Go to contents

務安・済州航空事故から1年 仁川空港など滑走路内の危険施設なお放置

務安・済州航空事故から1年 仁川空港など滑走路内の危険施設なお放置

Posted December. 27, 2025 11:43,   

Updated December. 27, 2025 11:43


179人の命を奪った「12・29務安(ムアン)空港・済州(チェジュ)航空旅客機事故」から1年が迫る中、国内最大の玄関口である仁川(インチョン)国際空港を含む主要空港で、大事故を招きかねない滑走路内の危険施設が依然として放置されている実態が明らかになった。事故後、政府が再発防止を約束したにもかかわらず、現場では「運航の繁忙期」を理由に安全対策を後回しにするなど、安全不感症が続いているとの指摘が出ている。

25日、東亜(トンア)日報が入手した仁川国際空港公社の「航空安全脆弱分野の管理実態監査報告書」によると、仁川国際空港の第1、第2滑走路付近の着陸帯には、航空機が衝突した場合、機体に致命的な損傷を与えかねない鉄製配電盤が設置されている。着陸帯は、航空機が滑走路を逸脱した際に乗客の安全を確保するために設定された最後の緩衝区域だ。

公社監査室は今年上半期(1~6月)の内部監査ですでに当該施設の危険性を指摘していた。報告書は「配電盤が『折れやすく低い構造』になっておらず、滑走路を逸脱した航空機が衝突した場合、機体損傷の危険が極めて大きい」とし、着陸帯の外周への移設が妥当だと求めた。問題の配電盤は幅2.8メートル、高さ2メートルのステンレス製だ。

しかし取材の結果、第1滑走路の配電盤は監査指摘から6カ月が過ぎたこの日まで、移設されないまま放置されていた。公社側は6月に第2滑走路の配電盤は移設したものの、第1滑走路については工事に着手すらしていない。公社の関係者は「12月末から1月初めは休暇などで利用が集中する繁忙期で、降雪など天候の問題もあり工事に適さない。来年3月には工事が可能だ」と説明した。商業運航の収益や行政上の便宜を理由に、乗客の生命に直結する安全規定の履行を先送りした格好だ。

だが国土交通部告示の「空港安全運営基準」は、空港運営者が航空機に危険を及ぼす恐れのある施設や装置を着陸帯内に設置してはならず、例外的に航行目的の装置や施設を設置する場合でも、可能な限り折れやすく低く設置するよう定めている。務安事故当時も、航空機がコンクリートの盛り土上に設置された方位角施設(ローカライザー)に衝突し、被害が拡大した経緯がある。


チョン・ナムヒョク記者 forward@donga.com