
19日午後2時ごろ、ソウル西大門区(ソデムング)の認知症安心センターでは、リハビリ目的の「歌の教室」が行われていた。壁の時間割には、ストレッチや身体運動など、症状悪化を遅らせるプログラムがびっしり並ぶ。だが、患者の資産を守るための「後見相談」窓口は、センター内のどこにも見当たらなかった。保健福祉部は、認知症高齢者の資産保護に向けた公的後見制度を安心センターで支援すると広報してきたが、現場は事実上「リハビリ施設」の機能に偏っていた。
23日、中央認知症センターによると、全国256カ所の認知症安心センターに登録された患者は57万人を超える一方、後見業務を担当する法律専門家は全国でわずか4人(中央2人、京畿2人)にとどまる。認知症高齢者の資産管理や法的権利を代行する後見人を指定するには、裁判所への「後見審判請求」が必要だが、この複雑な手続きを代理できる弁護士が常駐するのは、全国でソウルと京畿(キョンギ)の2カ所にすぎない計算だ。
認知症高齢者の資産を狙う「認知症マネー狩り」が巧妙化する中、統合管理の役割を担う認知症安心センターは、専門人材不足で後見支援業務を事実上手放しているとの指摘が出ている。犯罪被害に遭った高齢者を適時に救済できない「行政のボトルネック」現象も生じている。仁川(インチョン)大学社会福祉学科のチョン・ヨンホ教授は「地域ごとに後見支援センターを置き、後見業務をワンストップで支援する日本のように、国内の認知症安心センターも後見支援機能を強化すべきだ」と述べた。
イ・サンファン記者 パク・ギョンミン記者 payback@donga.com






