
お笑いタレントのパク・ナレさんを巡る違法医療行為問題が、芸能界全体に広がっている。パクさんと同じ番組に出演している有名ユーチューバーの「イプチャルブンヘンニム」(本名=キム・ミギョン)は19日、いわゆる「注射イモ(おばさん)」と呼ばれる女性から訪問診療を受けていた事実を認め、活動休止を表明した。専門家らは、無免許による医療行為が麻薬類医薬品への依存を高め、心臓や腎臓などに深刻な影響を及ぼす恐れがあると警告した。
キム・ミギョンさんは同日、自身のユーチューブチャンネルに投稿し、「現在問題となっているA氏とは、知人の紹介でソウルのある病院で初めて会い、疑うことなく医師だと信じて診療を受けた」とし、「その後、自宅まで来てもらったこともある」と述べ、違法医療行為の疑惑を認めた。同じ番組に出演していたSHINee(シャイニー)のキー(本名=キム・ギボム)も訪問診療を受けた事実を認め、活動を休止した。
現行法上、訪問診療そのものが直ちに違法となるわけではない。ただし、救急患者や政府が公益上必要と認める場合、在宅看護が不可避な患者などに限定されている。患者や保護者の要請によって訪問診療が認められる場合もあり、パクさんらはこれに該当すると主張する可能性がある。訪問診療では、基本的な診察や創傷処置、注射や点滴の投与が可能とされている。
ただし、訪問診療を行うには、国内の医師免許が必須だ。一般の看護師が単独で家を訪れ、注射などの医療行為を行うことはできない。ただし、手術後の退院患者や身体の不自由な患者が「在宅看護サービス」を受ける場合に限り、医師の指示のもとで在宅専門看護師が訪問し、処方に基づく投薬を行うことが認められている。一定の資格を持つ訪問看護師も、医師の処方があって初めて注射投与が可能だ。医療界は、「注射イモ」と呼ばれる人物は、こうした訪問医療の資格を持たない非医療者と見ている。
パクさんやキムさんが提供を受けたとされる医薬品の流通経路も、捜査対象となっている。2人は、いわゆる「蝶の薬」と呼ばれるフェンテルミン成分の食欲抑制剤を使用した疑いが持たれている。これは医師の処方がなければ使用できない向精神薬だ。大韓医師協会は、「今回の事件では、代理処方や非対面処方が禁止されている向精神薬クロナゼパムや、専門医薬品であるトラゾドンが使用された形跡がある」と主張する。クロナゼパムはパニック障害、トラゾドンはうつ病や不眠症の治療に主に処方される。
盆唐(ブンダン)ソウル大学病院循環器内科のカン・シヒョク教授は、「一般に栄養注射として打つ点滴でも、心臓や腎臓に持病がある人には副作用が生じ得る。必ず医師の処方に基づき、量や成分を調整しなければならない」とし、「麻薬類医薬品は依存性が強く、繰り返すうちにより多くの量を求めるようになる」と懸念を示した。
朴星民 min@donga.com






