Go to contents

米、戦闘司令部を大幅再編へ 欧州・中東・アフリカの統合を検討

米、戦闘司令部を大幅再編へ 欧州・中東・アフリカの統合を検討

Posted December. 17, 2025 09:06,   

Updated December. 17, 2025 09:06


米国防総省(戦争省)が、欧州、中東、アフリカをそれぞれ管轄する米軍の戦闘司令部を一本化する案などを含む大規模な組織再編を検討していると、米紙ワシントン・ポスト紙が15日報じた。北米と中南米を担当する北方軍と南方軍を統合し、能力を強化する案も盛り込まれているという。同紙は「中東と欧州から軍事資源を移し、米本土を含む西半球の軍事力を強化する狙いで、トランプ政権の『米国第一』路線と一致する」と指摘した。

同紙によると、ダン・ケイン米統合参謀本部議長は近く、現在11ある戦闘司令部を8に統廃合する内容の再編案をヘグセス国防長官に報告する予定だという。計画が採用されれば、数十年で最大規模の軍上層部再編になるとみられる。

再編案では、欧州軍、アフリカ軍、中部軍(中東担当)を格下げし、新組織「国際司令部」の傘下に置く構想が検討されている。さらに、南方軍と北方軍を統合し、「米州軍」または「アメリコム(Americom)」と称する新司令部の下に再編する案を検討している。司令部の統廃合が実現すれば、4つ星将軍の数も減少すると同紙は伝えた。

計画に詳しい関係者は同紙に対し、「今月初めに公表されたトランプ政権の国家安全保障戦略(NSS)と整合する」と説明した。NSSは「米国が世界秩序を支え続ける時代は終わった」とし、同盟国の負担増と「米国第一」を明確にしている。今回の再編も、中東、欧州、アフリカの米軍資源を抑制し、米本土の軍事力を強化する自国中心の安全保障戦略だという。

一方、中国対応を担い、在韓米軍戦略も所管するインド太平洋軍は、今回の統合対象から外れ、現行体制を維持する見通しだ。トランプ政権がNSSで、中国に対する第1列島線および台湾防衛を最優先課題に位置付けた方針と符合する。ケイン氏は、同紙が把握した案のほかにも、少なくとも2案以上を用意し、へグセス氏に報告するとされる。


アン・ギュヨン記者 kyu0@donga.com