
尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領による昨年12月3日の「非常戒厳」宣布をめぐる内乱事件を捜査している趙垠奭(チョ・ウンソク)特別検察官(特検)チームが、尹氏が非常戒厳を宣布した動機について、「自身の政治的反対勢力を粛清する目的だった」と結論づけたことが分かった。当時野党だった「共に民主党」はもとより与党だった「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)前代表など、自身の意思に反する勢力を合法的な令状なしに逮捕・拘束するための違法な戒厳だったということだ。
趙氏は15日、尹氏の非常戒厳宣布の動機や最初の準備時期などを含む捜査結果を、自ら発表する予定だ。特検は6月18日に捜査を開始し、3度の期限延長を経て、12月14日、約半年に及ぶ捜査を終えた。
特検は、尹氏が2023年10月、呂寅兄(ヨ・インヒョン)前国軍防諜司令官と朴安洙(パク・アンス)前陸軍参謀総長(戒厳司令官)を昇進させた前後から、軍を動員した戒厳を念頭に置いていたと結論づけた。さらに昨年10~11月には、北朝鮮・平壌(ピョンヤン)付近に無人機(ドローン)を送る作戦で南北間の緊張を高め、非常戒厳の大義名分をつくろうとしたというのが特検の見方だ。
特検は、戒厳当日の閣議の大統領室防犯カメラの映像を根拠に、尹氏を含む主要閣僚らの行動を詳細に把握し、趙太庸(チョ・テヨン)前国家情報院長や李祥敏(イ・サンミン)前行政安全部長官らを拘束、起訴した。一方、韓悳洙(ハン・ドクス)前首相と朴性載(パク・ソンジェ)前法務部長官については、請求した拘束令状が棄却され、在宅起訴となった。戒厳解除決議の採決妨害疑惑をめぐっても、「国民の力」の秋慶鎬(チュ・ギョンホ)議員に対する拘束令状が棄却され、野党から「無理な標的捜査」との批判を受けた。
コ・ドイェ記者 チェ・ミソン記者 yea@donga.com






