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世界の水素トラックの96%が中国製、「このままでは主導権を奪われる」

世界の水素トラックの96%が中国製、「このままでは主導権を奪われる」

Posted December. 13, 2025 10:28,   

Updated December. 13, 2025 10:28


「このままでは、電気自動車に続き、水素車市場も中国に奪われかねない」。

水素エネルギーを研究する学界から、こうした危機感が上がっている。中国が、すでに世界市場を席巻した電気自動車に続き、水素車の割合も急速に高め、「水素エコシステム」を急速に構築しているためだ。

フォーチュン・ビジネス・インサイツによると、水素関連の世界市場規模は昨年末時点で約2175億ドル(約319兆ウォン)と分析されている。だが、2030年ごろには現在の10倍にあたる3000兆ウォン規模に拡大するとの予測が多い。水素技術の確保と市場先取りを狙う各国の動きも加速している。

代表的なのが中国だ。中国は2020年ごろ、「2035年までに水素経済の先導国へ」を目標に、水素エネルギー産業発展の中長期計画を策定した。2035年までに水素燃料電池車(FCEV)を100万台普及させ、国家レベルで年間最大20万トンのグリーン水素を生産する計画だ。

中国は2020年、北京、上海、広州の3都市で水素車普及の実証政策を開始し、都市や車両運営会社、水素ステーションの運営会社に対し、普及・運営実績に応じた補助金を支給した。2022年には対象都市が50カ所以上に拡大された。

こうした政策を背景に、中国のFCEVトラックは2024年に約1万5000台にまで増加した。世界で稼働する約1万5500台のFCEVトラックのうち、約96%が中国製という計算だ。中国製水素トラックの急増により、中国は現在、世界の車両用水素消費量の50%以上を占めている。

インドも追い上げている。2023年1月に発表した「国家グリーン水素ミッション」では、2030年までに年間500万トンのグリーン水素を生産できるインフラを整備し、現在1キログラム当たり約8ドル(約1万1700ウォン)の価格を3.75ドル(約5500ウォン)にまで引き下げることを掲げている。インド政府は総額880億ユーロ(約150兆ウォン)を投じ、関連雇用60万人の創出も目標としている。

一方、韓国は道のりが遠い。乗用車分野では、2018年に発売された唯一のFCEV乗用車「ネッソ(NEXO)」が6年間新モデルを出せず、昨年の販売台数は2751台にとどまった。今年、新モデル「ディ・オール・ニュー・ネッソ」が発売され、11月までに5325台が販売されるなど、関心は徐々に回復している。

しかし、FCEVトラックは中国の0.1%の水準にあたる15台しか運行されていないと、エネルギー経済研究院は分析している。FCEVバスは昨年時点で約1700台が運行され、トラックより状況は良いものの、水素ステーションなどのインフラ不足から、事業者が導入を敬遠する傾向が強い。

エネルギー経済研究院のキム・ジェギョン上級研究委員は、「商用車分野では電気自動車と水素車は補完関係にあるが、政府支援は電気自動車に偏っている」とし、「水素トラックやバスを運行する企業への補助金支給など、追加支援策がなければ水素車の活性化は難しい」と指摘した。


李沅柱 takeoff@donga.com