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最も感情的な「アバター」第3作、生成型AIは1秒も使わず キャメロン監督強調

最も感情的な「アバター」第3作、生成型AIは1秒も使わず キャメロン監督強調

Posted December. 13, 2025 09:11,   

Updated December. 13, 2025 09:11


「『アバター』シリーズでは、生成型人工知能(AI)を1秒たりとも使っていません」。

17日に公開される最新作「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」のジェームズ・キャメロン監督(71)は12日、韓国メディアとのオンライン会見で、こう強調した。「『アバター』の映像が幻想的でありながら極めてリアルなのは、俳優たちの実際の演技に基づいているからだ」という。架空の異星種族を主人公に据えた「アバター」シリーズは、第1作からモーションキャプチャー技術を活用し、俳優の動きだけでなく表情の演技まで忠実にスクリーンへと反映してきた。

シリーズ第3作となる今作は、上映前から「生成AIは使用していない」と明示されたことでも注目を集めている。キャメロン監督は「キャラクターの解釈に基づく人間俳優の独創性は、決してAIが代替できるものではない」と断言した。

今作はシリーズの中でも「最も感情的な作品」と評されている。物語は、第2作の終盤で主人公ジェイク・サリー(サム・ワーシントン)の長男ネテヤムが命を落とした直後から始まり、家族が喪失と悲しみを抱えながら、より強く結束していく過程を描く。キャメロン監督は「私自身も5人の子どもの父で、幼少期を大家族の中で育った。だからこそ『家族』というテーマを、パンドラの世界に持ち込みたかった」と語った。

第3作で新たに登場する「灰の部族」マンクワン族は、これまでのシリーズに登場したナヴィ族などとは異なり、他部族に敵対的で荒々しい存在として描かれる。キャメロン監督は2012年、ナショナルジオグラフィックの取材チームとパプアニューギニアを訪れ、火山灰に覆われた村を目にした体験から、この部族のイメージを着想したという。「『灰の部族』は、憎しみや暴力、混乱、トラウマの産物だ。故郷を破壊された無力感と苦痛が、攻撃的な性質として表れた部族を想像した」と説明した。部族を率いる指導者ヴァランを演じるのは、チャーリー・チャップリンの娘であるウーナ・チャップリン。キャメロン監督は「人を引きつける魅力を持つ俳優だ」と評した。

今作は12日時点で前売り観客数が24万人を超え、韓国国内でも高い期待を集めている。前2作が「世界興行収入史上1位(第1作)、3位(第2作)」という前作の成績がプレッシャーにはならないのだろうか。キャメロン監督は「3000人を超えるスタッフが4年間、すべてを注ぎ込んだ作品だ。最も力を入れたシーンは、実質的にすべてのシーンだ」と自信をにじませた。


キム・テオン記者 beborn@donga.com