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来年中間選挙のバロメーター 米テネシー州下院補選に注目集まる

来年中間選挙のバロメーター 米テネシー州下院補選に注目集まる

Posted December. 03, 2025 11:05,   

Updated December. 03, 2025 11:05


トランプ米大統領が昨年の大統領選で22ポイントの大差で勝利した米テネシー州下院選挙区が激戦区へと変貌し、ワシントン政界で大きな注目を集めている。米紙ニューヨーク・タイムズなどは今回のテネシー州下院議員補欠選挙を「来年の中間選挙を前に民意を示す決定的指標」と報じている。

2日に実施されるテネシー州第7選挙区下院議員補欠選挙では、共和党と民主党候補の支持率差が誤差範囲内まで縮まり接戦構図となっている。NYタイムズなどによると、トランプ大統領は1日、共和党候補であるマット・バン・エプス氏(42)へのスピーカーフォン応援演説で「今、全世界がテネシーと皆さんの選挙区を注目している」とし、「共和党がかつてないほど強いということを示さなければならない」と強調した。トランプ氏はトゥルースソーシャルにもバン・エプス氏への投票を呼び掛ける投稿を自身のアカウント上部に固定した。

テネシー州第7選挙区は40年以上にわたり共和党に勝利をもたらしてきた「共和党の牙城」である。昨年の大統領選ではトランプ氏が民主党候補だったカマラ・ハリス前副大統領に22ポイント差で勝利した。前任のマーク・グリーン共和党下院議員も昨年の選挙で民主党候補に21ポイント差をつけている。しかし先月26日に発表されたエマーソン大学世論調査によると、バン・エプス氏の支持率は48%で、民主党のアフティン・ベン候補(46%)にわずか2ポイント差でリードするにとどまっている。

英BBCは、「テネシーでの共和党敗北は、トランプ大統領が政治的に脆弱となった局面で党を混乱に陥れる可能性がある」とし、「多くの保守派関係者が来年の中間選挙を前に不安を募らせている」と報じた。先月のニューヨーク市長選やバージニア・ニュージャージー州知事選で民主党が全勝し、共和党内の危機感は高い。特に高インフレと景気後退が続くことへの不満から、トランプ氏の最近の支持率は就任後最低を記録した。

民主党は今回の補選をトランプ政権に対する国民投票と位置付けて総攻勢をかけている。進歩派の活動家出身で州下院議員のアフティン・ベン氏(36)は「生活費負担の緩和」などを掲げ、トランプ政権の経済失政を強調している。一方、バン・エプス氏は米陸軍士官学校出身の元陸軍ヘリコプター操縦士で州政府行政官を務めた経歴を持ち、伝統的保守主義者を自任している。

Axiosによると、トランプ大統領を支援するスーパーPAC(選挙資金団体)「MAGA」は今回のテネシー州選挙に150万ドル(約22億500万ウォン)以上を投入し、民主党系スーパーPAC2団体は総額100万ドル(約14億7000万ウォン)を支出した。ハキーム・ジェフリーズ民主党下院院内総務はAP通信に「共和党はすでに敗北した。トランプが22ポイント差で勝った地域の議席を守るために数百万ドルを注ぎ込んでいるのは驚きだ」と語った。


キム・ユンジン記者 kyj@donga.com