
「本という枠を超え、芸術的オブジェとして感じられた。韓紙は単なる印刷材料ではなく、韓国的情緒を宿す文化媒体だ。」(ドイツ出版人クリスティアン・シュルツ)
最近ドイツのフランクフルトとフランス・パリで開かれた国際博覧会で、韓紙でつくられた書籍と家具が、新たな芸術とデザインの道具として大きな注目を集めた。
先月、ドイツのフランクフルト国際書籍展に参加した韓国工芸・デザイン文化振興院(院長=張東光(チャン・ドングァン))は、光復(日本植民地からの独立)80周年を記念した展示「積層:あの日の言葉の花」で、韓紙で制作された特別版詩集3種と独立運動関連冊子を披露した。韓紙特有の自然な繊維の質感と情緒を感じる韓紙で作られた本に対し、欧州の観覧客は「指先の芸術」と称賛。会場を訪れた作家や芸術家らは、出版・デザイン・芸術分野で韓紙を活用する方法を尋ね、協業を打診した。
今年9月、パリで開かれた2025メゾン&オブジェでも、韓紙製の家具や工芸品が大きな注目を浴びた。今年のテーマは「ウェルカムホーム(Welcome Home)」で、パンデミック後の生活中心となった「家」を新たに解釈する展示だった。特に環境配慮と情緒性が結合した素材が注目され、楮(こうぞ)繊維で作られる韓紙は、柔らかな光透過性・しなやかな質感を特徴とする「持続可能な素材」として評価された。観覧客は「韓紙は紙でありながら布の感覚を持つ特別な素材だ」と驚きを示した。同時期、パリで「日常の遺産、韓紙」をテーマに開かれた韓紙文化交流セミナーにも、多くの専門家と一般観覧客が集まり、話題を呼んだ。
韓紙は楮皮(こうぞの樹皮)を煮て叩き、繊維を均一にした後、一枚一枚漉き上げる。百回の手作業を経て完成する紙という意味で、「百紙」とも呼ばれる。韓紙は2026年12月ごろ、ユネスコ人類無形文化遺産登録の最終決定を控えている。国家遺産庁は2024年、「韓紙製作の伝統知識と技術および文化的実践」をユネスコの人類無形文化遺産代表一覧表に申請した。
現在、バチカン博物館、フランス・ルーヴル美術館、英国大英博物館など欧州主要機関で、韓紙は文化財修復作業用紙として活用されている。原料である韓国国内産楮の繊維は長く、強度が高く、耐久性・安定性に優れているためだ。韓国工芸・デザイン文化振興院の関係者は、「韓紙はもはや単なる伝統工芸品ではなく、持続可能性と感性を備えた未来文化産業の素材であり、世界が注目する韓国ブランドへと飛躍している」と語った。
田承勳 raphy@donga.com






