
米国のポンペオ元国務長官が17日(現地時間)、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記について「邪悪な人物だ。彼は韓半島全体が自分のものだと信じている」と述べた。
ポンペオ氏は同日、法務法人・大陸亜州が米ワシントンで主催した懇談会で「正恩氏は北朝鮮が不当な扱いを受けてきたと信じ、それを取り戻す方法を見つけることに執着している」と指摘した。第1次トランプ政権の目標は正恩氏を「良い人間にすること」ではなく、「核兵器を放棄させること」だったが、「成功しなかった」と述べた。ポンペオ氏は第1次トランプ政権で国務長官、中央情報局(CIA)長官などを務め、当時4回訪朝するなど、米朝交渉を主導した。
ポンペオ氏は交渉の失敗理由について「正恩氏がトランプ大統領や私と会う度、その旅程はいつも(中国)北京から始まった」とし、「我々が交渉した相手は正恩氏ではなく、(中国国家主席)習近平だった」と主張した。さらに「北朝鮮の核兵器は北朝鮮1国の問題ではなく、2人(正恩氏と習氏)が共有する戦略と見ている」とし、「正恩氏には独自の『決定権』はほとんどない。最終的には北朝鮮ではなく中国と解決すべき事案だ」と指摘した。
第2次トランプ政権発足後、1期目のときより米朝交渉への関心が低下したことについては「北朝鮮アジェンダに関して『動ける余地』がほとんどない」とし、「正恩氏に核放棄を説得する『アメ』はほぼ存在しない」と強調した。さらに「北朝鮮に使える『ムチ』もほとんどない」とし、「この状況を変えられる手段は多くない」と付け加えた。
ポンペオ氏は第2次トランプ政権でも北朝鮮問題をめぐり「『動ける余地があまりない』という結論に至ったようだ」と述べた。ただし、トランプ氏が北朝鮮を「核保有国」と公式に認定する可能性については、極めて低いと強調した。
一方、ポンペオ氏は先月の韓米首脳会談を通じて、米国が韓国の原子力潜水艦(原潜)開発のための手続きを本格的に開始すると約束した件について「非常に鼓舞的だ。その内容が含まれたことに驚いた」と述べた。ただし、最上位レベルの宣言のみで、細部はほとんど整理されていないとして慎重な立場も示した。
韓国に原潜が必要と考えるかとの質問には「そうだ」とし、「正恩氏が核能力を持つ以上、この脅威に対抗するには韓国国民が十分な保護を受けられるようにしなければならない」と強調した。さらに「より多くの議論と詳細な検討が必要だ」としつつも、「米議会で超党派の支持を得ることは十分に可能だと考える」と付け加えた。
申晋宇 niceshin@donga.com






