
米国のヘグセス国防(戦争)長官(写真)は、韓米同盟の現代化をめぐる最大の争点である在韓米軍の戦略的柔軟性拡大問題について、「(米軍の)柔軟性は、域内で発生し得るあらゆる事態に備える上で、我々(韓米)が考慮すべき課題であることは明白だ」と強調した。中国による台湾侵攻など、北東アジア地域で非常事態が発生した場合、在韓米軍が一定程度投入される可能性を示唆した発言だ。
ヘグセス氏は4日、ソウル龍山(ヨンサン)の国防部で行われた第57回韓米安保協議会(SCM)終了後、安圭佰(アン・ギュベク)国防部長官との共同記者会見で、「中国が台湾を侵攻したり、南シナ海などで攻撃行為を行ったりした場合、在韓米軍の投入を認めるのか」との質問に対し、このように答えた。
韓米が発表したSCM共同声明には、在韓米軍の戦略的柔軟性に関して、柔軟性を認めつつも北東アジア地域の紛争への関与に際しては韓国の意思と立場を尊重するという2006年の韓米間合意を再確認する内容が盛り込まれたという。しかし、ヘグセス氏の発言で、この合意文言に明記された「戦略的柔軟性」をめぐり、韓米が異なる解釈をしているとの分析もある。韓国側は「意思」を重視し、在韓米軍を対北朝鮮抑止のための「韓半島駐留軍」と位置づけているのに対し、米国側は「柔軟性の承認」を強調し「北東アジア機動軍」としての活用を志向している。
トランプ米大統領が先月30日、韓米首脳会談直後に建造を承認した原子力潜水艦(原潜)について、ヘグセス氏は「我々はトランプ大統領の約束を体系的に(in a deliberate manner)履行するため、国務省やエネルギー省と緊密に協力していく」と述べた。さらに「トランプ大統領は、韓国が自国防衛力を確保する上で最高の能力を持つことを保証する、こうした機会に前向きだ」とも述べた。
原潜建造に関するトランプ氏の指示を軍事的に実行する最高責任者であるヘグセス氏が、韓国の原潜保有を「機会」と表現したことで、近く両国間で実務協議が本格化するとの見方が出ている。ヘグセス氏はまた、「トランプ大統領は韓国の原潜確保が韓米同盟にも資するという確信を持っている」とも話した。ただし、今回のSCM共同声明には原潜協力に関する文言は盛り込まれなかった。
孫孝珠 hjson@donga.com






