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韓国軍偵察衛星5号機を打ち上げ

Posted November. 03, 2025 08:14,   

Updated November. 03, 2025 08:14


北朝鮮の核・ミサイル挑発の兆候を密着監視する韓国軍の軍事偵察衛星が2日、打ち上げられた。北朝鮮に対する先制打撃(キルチェーン)の「目」となる5基のうち最後の5号機だ。韓国軍による独自の軍事偵察衛星確保は、李在明(イ・ジェミョン)政権が本格的に進める「任期内の戦時作戦統制権(戦作権)移管」の3大条件を満たすためにも必要であり、今回の5号機打ち上げ完了を機に、戦作権移管が加速するとの見方も出ている。

韓国国防部は「軍事偵察衛星5号機が2日午後2時9分(韓国時間)、米フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げられ、午後2時23分にロケットと正常に分離し、目標軌道に入った」と発表した。同衛星は米民間宇宙企業スペースXの再使用ロケット「ファルコン(Falcon)9」に搭載されて打ち上げられた。

1号機は電子光学(EO)・赤外線(IR)装備が搭載さえた衛星で、雲などの気象条件で映像取得に制限があった。だが2~5号機は高性能合成開口レーダー(SAR)搭載衛星で、昼夜・天候を問わず北朝鮮内部を集中的に監視できる。国防部関係者は「EO・IR衛星は得られる映像の可読性が高いという利点があり、両タイプを相互補完的に運用すれば、韓国軍の対北朝鮮監視・偵察能力は大きく向上する」と強調した。

韓国軍当局は、軍事偵察衛星5号機の打ち上げ完了を契機に、戦作権移管が一層進むと期待している。2014年に韓米両国が合意した戦作権移管の3大条件は、「連合防衛主導に必要な軍事的能力」「同盟の包括的な北朝鮮核・ミサイル対応能力」「戦作権移管に見合う韓半島および域内の安全保障環境」だ。韓国軍が偵察衛星を確保し、対北朝鮮監視の死角を減らすとともに、北朝鮮の映像・写真に対する米軍依存を脱却することは、「連合防衛主導に必要な軍事的能力」の確保に該当する。

韓国軍は、重量800~1000キログラkgの中大型偵察衛星5基の運用に加え、28年までに小型(500kg以下)および超小型(100キログラム未満)偵察衛星60基余りを追加で打ち上げる計画だ。


孫孝珠 hjson@donga.com