
韓国や米国、中国、日本など主要国の首脳が慶尚北道慶州(キョンサンプクト・キョンジュ)で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)を前後して、相次いで首脳会談に臨む。アジアを中心に高まる大国間の覇権争いと、米国発の関税戦争によって一段と強まる自国優先主義の波の中で、世界の安全保障と通商秩序の分岐点となる外交戦が始まる。初めて米中首脳が同時に国賓として訪韓することが確定し、韓米関税交渉の長期化や北朝鮮・中国・米国の接近という重い課題を抱える李在明(イ・ジェミョン)政権の外交も試練の場に立たされた。
米ホワイトハウスのレビット報道官は24日の定例会見で、「トランプ大統領は29日に大韓民国大統領と2国間会談を行い、その後APECのCEO昼食会で基調演説を行う」とし、「翌日(30日)午前に中国の習近平国家主席との会談に出席し、同日夜にワシントンへ帰国する」と明らかにした。これに先立ち、トランプ氏は26日に東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議出席のためマレーシアを訪れ、27日に日本を訪問し、28日に高市早苗首相と初の首脳会談を行う予定だ。
中国外交部報道官も同日、「李大統領の招きにより、習主席は30日から来月1日まで慶州を訪れ、APEC首脳会議に出席する。大韓民国を国賓として訪問する」と発表した。
魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長は24日、龍山(ヨンサン)大統領室での定例会見で、李氏が来月1日に習氏と韓中首脳会談を行うと明らかにした。米中両首脳がそろって国賓として訪韓するのは初めてだ。
魏氏は「米国とは歴代最短期間で首脳間の相互訪問を完了した」とし、「中国首脳の訪問も11年ぶりであり、韓中関係回復の基盤を築く意味がある」と評価した。李氏は30日に高市氏との韓日首脳会談の日程も調整している。
今回のAPECを機に、韓国が主導する2国間会談、米中の通商交渉、さらには米朝間の電撃的な会談の可能性まで取り沙汰され、李政権の外交手腕が試される局面となるとみられる。李氏は24日に公開されたシンガポール紙「ストレーツ・タイムズ」とのインタビューで、「韓米同盟を未来志向の包括的戦略同盟として引き続き発展させるとともに、中国とも友好的な関係を維持・発展させながら、北東アジア地域の緊張を緩和し、共同繁栄を促進する架け橋の役割を果たしたい」と述べた。
權五赫 hyuk@donga.com






