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トランプ氏と習氏が同時訪韓、実用外交の真価を示す機会

トランプ氏と習氏が同時訪韓、実用外交の真価を示す機会

Posted October. 25, 2025 09:37,   

Updated October. 25, 2025 09:37


 

李在明(イ・ジェミョン)大統領は、今月29日にトランプ米大統領と、来月1日には中国の習近平国家主席とそれぞれ首脳会談を行う。アジア太平洋経済協力(APEC)慶州(キョンジュ)首脳会議を機に国賓として訪韓するトランプ氏と習氏は、30日に米中2国間会談を行い、レアアースや関税をめぐる両国の対立解消に向けた方策について協議する予定だ。李氏はAPECに先立ち、26日にマレーシアで開かれるASEAN首脳会議に出席し、日本の高市早苗首相とも初めて会い、別途の2国間会談開催も調整している。

来週はASEAN、韓米、米中、APEC、韓中といった多国間・2国間での首脳会談が続く「首脳外交スーパーウィーク」となり、李氏はその舞台の中心に立つことになる。まずは李氏とトランプ氏との2度目の会談で、韓米間の貿易合意が成立するかが最大の関心事だ。依然として両国は争点をめぐり対立しており、合意の可能性は低いとされる。国家経済に長期的な負担となり得るため、不利な条件を受け入れてまで交渉成立を急ぐ理由はない。李氏は、11年ぶりに韓国を再訪する習氏とも初めて対座する。北朝鮮の非核化や各種課題に関する議論の中で、今後の韓中関係の方向性を見極める重要な会談となる。

世界の視線はやはり米中首脳会談に集中するだろう。第2次トランプ政権発足後初の米中首脳会談を前に、両国はレアアースの輸出規制強化や関税100%追加課税などの対抗措置で前哨戦を繰り広げている。米中「関税休戦」の終焉か延長かを決する今回の会談は、関税戦争を越え、覇権競争の行方まで見通す重要な機会となり得る。APEC首脳会議で議論される「アジア太平洋地域の連結と革新、繁栄」の成果も、米中「ビッグ2」間の会談の結果に左右される可能性がある。韓国は議長国として、米中間の均衡点を見出し、さらにAPEC加盟国との接点を探る架け橋の役割を的確に果たさなければならない。

トランプ第2次政権の始動により、従来世界を牽引してきた自由貿易や多国間主義はかつてない危機に直面している。米中間の覇権争いが激しさを増す中、北東アジアでは「韓米日 対 中朝ロ」という構図のもと、新冷戦の影が色濃くなりつつある。李氏が「韓半島が強国間対立の最前線になってはならない」と懸念するのも、こうした暗い世界情勢が背景にある。韓国は今回、超大型の外交イベントに向けて万全の準備と円滑な運営、そして成功裏に終えることを通じて「国家の品格」を示すとともに、韓米・韓中・韓日関係に漂う不確実性の霧を晴らし、外交の新たな地平を切り拓く契機としなければならない。米朝間の「電撃会談」にも備える必要がある。これらすべてが、冷静な現実分析と柔軟な対応力に基づく実用外交のチェックリストと言えるだろう。