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健康保険財政、6年間で2兆2000億ウォン流出

健康保険財政、6年間で2兆2000億ウォン流出

Posted October. 17, 2025 09:33,   

Updated October. 17, 2025 09:33


医師のA氏は長期間にわたり国民健康保険公団に診療費を不正請求し、2023年5月、保健福祉部の現地調査で摘発された。不当利得金84億3200万ウォンの返還命令が下されたが、今年7月まで全く納付していなかった。医療法人Bは2020年8月、健康保険医療費の不正請求で16億7100万ウォンの返還命令を受けたが、2600万ウォンしか納付していない。

16日、国会保健福祉委員会所属の与党「共に民主党」の蘇秉勳(ソ・ビョンフン) 議員室が国民健康保険公団から受け取った「不当利得金徴収金の滞納現状資料」によると、2020年1月から2025年7月までの健康保険不当利得金は2兆2160億ウォンに達した。だが不当利得金徴収の滞納額は、2020年の3274億ウォンから、2022年は3487億ウォン、2024年は3919億ウォンと増加傾向にある。5年7カ月間の不当利得金の徴収率は87.1%にとどまり、累計滞納額は3522億ウォンに上った。滞納上位5人のうち4人は一銭も納付しておらず、残る1人も1.6%しか支払っていない。5人の滞納額は計134億ウォンにのぼる。公団の関係者は「滞納者の財産がすでに残っておらず、徴収できない事例がほとんどだ」と説明した。

病院・クリニックなどが不正請求で得た不当利得金は1兆8707億ウォンで、全体の約84%を占めた。診療記録を虚偽に操作したり、健康保険資格のない対象に対して保険料を請求したりする行為がこれにあたる。そのほか、公団が加害者や保険会社の代わりに支払った治療費を回収する求償金(1739億ウォン)、検診費や本人負担上限額などの返還金(1714億ウォン)にも健康保険財源が支出されていた。不当利得徴収金は、年度別にみると、2020年の3454億ウォンから、2022年は3711億ウォン、昨年は4730億ウォンへと増加している。

不正請求への対応を強化するためには、健康保険公団が運営する「財政見守り提案・通報センター」の活性化が必要だとの指摘もある。同センターは、国民が直接、不正請求や違法開設医療機関など健康保険の財政を脅かす事案を通報できるところだ。2022年12月の開設以来、今年8月までに通報件数は計267件だったが、2023年は114件、2024年は81件、今年8月までは71件と減少傾向にある。蘇議員は「健康保険の財政は、国民が病気のときに信頼して頼れる支えだ。国民の保険料が不正に流出しないよう、不当請求を根絶し、徴収に万全を期すべきだ」と強調した。


パン・ソンウン記者 bbang@donga.com