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フィッシング詐欺で3千万ウォン被害の60代男、遺体で発見

フィッシング詐欺で3千万ウォン被害の60代男、遺体で発見

Posted October. 16, 2025 08:56,   

Updated October. 16, 2025 08:56


ボイスフィッシング被害で数千万ウォンを失った60代の一家の大黒柱が、一カ月後に自ら命を絶っていたことが裁判過程で明らかになった。

光州(クァンジュ)地裁刑事合議第11部(金松炫部長判事)は15日、通信詐欺被害返還法違反の罪で起訴されたキム被告人(24)に対して懲役2年を言い渡し、法廷で収監した。キム被告人は昨年1月3日、全羅北道益山市(チョルラプクト・イクサンシ)で60代のイさんから現金2千万ウォンを受け取り、京畿道へ移動して別の組織員に渡すなど、約1カ月にわたり光州、全羅道南長城(チョンラナムド・チャンソン)、全羅北道群山(グンサン)・全州(チョンジュ)、仁川(インチョン)などで6人の被害者から計8回にわたり総額2億3千万ウォンをだまし取った疑いを受けている。

キム被告人に指示を出したボイスフィッシング組織は、被害者に「低金利で融資する」「個人情報が流出した」と偽って金をだまし取った。総責任者、管理者、コールセンター、回収役、勧誘役などに役割を分担し、組織的に活動していた。

彼らはキム被告人のような「回収役」を募集するために就職サイトを利用し、架空の会社のホームページを作って求職者をだました。就職準備生だったキム被告人は「スクリーンゴルフ用品会社」という名前にだまされ、「用品取引の集金」などを名目に現金を渡した。しかしその会社はボイスフィッシング組織が作った偽の企業だった。

裁判所は「被告人は故意ではないにしろボイスフィッシング組織の存在を認識した状態で犯行に加担した」とし、「多数の被害者が発生した点を考慮した」と述べた。ただし「被告人は犯行後、自ら警察に証拠を提出し、自身の役割を認め、経済的困難の中でも深く反省している」として量刑を決める際に考慮したと付け加えた。

裁判過程で、被害者6人のうち1人が詐欺被害後に死亡していたことが確認された。被害者のイさんは昨年1月、キム被告人に2千万ウォンを、翌日に別の回収者に1千万ウォンを渡し、合計3千万ウォンを失った。経済的に困窮していたイさんは、家族に被害を知らせず、1カ月後の2月、アパートから飛び降りて死亡した。家族は「ボイスフィッシング被害の後、大きな衝撃と絶望に苦しみ、極端な選択をした」と話した。


李亨胄 peneye09@donga.com