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「笑わせないでよ」 尹政権の傲慢、李政権は初の国政監査で教訓に

「笑わせないでよ」 尹政権の傲慢、李政権は初の国政監査で教訓に

Posted October. 16, 2025 08:54,   

Updated October. 16, 2025 08:54


「笑わせないで」

尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が2022年の政権発足後、初めて臨んだ国会の国政監査に対する態度は、こう要約できる。22年11月8日、国会運営委員会の大統領室を対象とした国政監査の場。金恩慧(キム・ウンへ)大統領広報首席秘書官が、隣に座っていた姜升圭(カン・スンギュ)市民社会首席秘書官のメモ用紙に「笑わせないで」と書いて消した様子がカメラに捉えられた。

その日は、梨泰院(イテウォン)雑踏事故で159人が死亡してから10日も経っていなかった。政府の無能とずさんな対応を追及する質疑が続いていた。金氏は論争が大きくなると「物議を醸して本当に申し訳ない」と謝罪した。しかし、あくまで私的なやり取りだとして、書いた理由を最後まで明らかにしなかった。国政監査の場で大統領室首席らが筆談で笑い合う様は、傲慢に映った。

「国民の力」所属の朱豪英(チュ・ホヨン)運営委員長は「2000年から10年まで、態度を理由に退場させた例が4回ある」とし、両首席の退場を命じた。常識的な措置だった。しかし大統領室と与党は反省どころか矛先を朱氏に向けた。尹政権の「護衛武士」と呼ばれるある初当選議員は非公開の議員総会で「尹政権を支えることもできないのか」と発言した。民意よりも大統領の機嫌を優先する態度もまた傲慢だった。

文在寅(ムン・ジェイン)政権時代にも、大統領室の横柄な態度が問題になった。19年11月1日、姜琪正(カン・ギジョン)政務首席秘書官は、野党だった羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)議員に対して声を荒げた。羅氏が鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長に「専門家が(北朝鮮のミサイルを)防げないと言っている。意地を張るな」と言うと、姜氏は自分の発言順でないのに割り込んで「意地を張るなとは何だ。ちゃんとやれ」と指を突きつけて非難した。

李在明(イ・ジェミョン)政権の初の国政監査は13日から始まった。初日、国会法制司法委員会の大法院(最高裁)国政監査では、立法府が司法府の上に君臨しようとしているという批判を浴びた。証人不出席の意見書を出した曺喜大(チョ・ヒデ)大法院長は「三権分立体制を備えた法治国家では、裁判事項について裁判官を監査や聴聞会の対象とし、証言台に立たせた例は見当たらない」と述べた。与党の秋美愛(チュ・ミエ)法司委員長は「証人ではなく参考人の立場」として90分間の質疑を行わせた。与党内には「冷静であるべきだった」との自省論もあったが、与党は15日、大法院に対して現場検証を試みるなど圧迫を続けた。

曺氏から始まった今回の国政監査は、李氏の「影の側近」と呼ばれるキム・ヒョンジ大統領室第1付属室長が、来月6日の国会運営委員会大統領室国政監査に出席するかどうかの問題で幕を閉じる見通しだ。野党が「国民の知る権利のためにも呼ぶべきだ」と主張する中、大統領室は与野党合意があれば出席するとの原則的な立場を示している。国民はキム氏の出席問題に対する大統領室の態度にも注目するだろう。

李氏は国政監査初日、「もし歪められたり誤解がある部分があれば適切にきちんと説明し、低い姿勢で国民の代表である国会の国政監査に能動的に臨んでほしい」と呼びかけた。政府与党は「笑わせないで」や「指を突きつける」といった振る舞いを反面教師としなければならない。国政監査序盤に際立ったのは、巨大与党の高圧的な態度だ。与党は「歪曲や誤解があった」と弁明するかもしれないが、政権を握る側の傲慢さこそ、より見苦しく映るであろう。