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相次ぐ「カンボジア行方不明」通報、所在確認と送還に総力を

相次ぐ「カンボジア行方不明」通報、所在確認と送還に総力を

Posted October. 15, 2025 09:01,   

Updated October. 15, 2025 09:01


韓国人大学生のパクさんがカンボジアで拉致され拷問の末に死亡した事件が明らかになった後、国内で同様の行方不明通報が相次いでいる。京畿道城南(キョンギド・ソンナム)の20代男性は今月1日にカンボジアへ出国したが、家族に「拉致されている、2万テザーコイン(約3千万ウォン)送ってくれ」と電話した後、音信が途絶えたという。今年5月に出国した釜山(プサン)の50代男性も今月初め「監禁されている」と連絡してきた。光州(クァンジュ)の20代男性も「助けて」という電話を残して行方が分からなくなった。いずれも海外就職詐欺にだまされ出国した後、拉致されたとみられている。

カンボジアでの韓国人拉致通報件数は3年前の1件から、今年は8月までで330件に急増した。しかし警察はパクさん死亡事件が報道された後になってようやく、警察官が2人しかいなかった在カンボジア大使館に警察官1人を派遣した。今年3月には、家族に切断された指の写真を送り金銭を要求した20代女性の行方不明事件を受理したものの、「連絡が取れる」という理由で終了処理した例もあった。海外での事件であることを口実に、安易に対応しているのではないか。

異国の地で困難に陥れば、まず頼るのは韓国大使館だ。しかし外交部は「拉致された」という連絡を受けると、被害者本人が位置情報、連絡先、旅券の写しを添えて直接通報するよう求めるカンボジア警察の方針を案内している。昨年6月、カンボジアに監禁されていた40代男性が密かに大使館へ救助を求めたところ、「グーグル翻訳を使って警察に通報せよ」との返答を受けたという。この男性は自力で脱出し、早朝に大使館へ到着したが、「出勤時間に来てほしい」とも言われた。趙顕(チョ・ヒョン)外交部長官は13日の国会国政監査で「現地大使館ですら事態の深刻さを認識せず、かなり時間が経過してしまった」と述べた。

政府は関係省庁のタスクフォースを構成し、現地に「コリアンデスク」(韓人事件専従警察官)を設置するなど対策に乗り出した。カンボジアは未開発の密林が多く、犯罪拠点が人里離れた地域にあるため、現地警察との協力が不可欠だ。今年、韓国政府がカンボジアに提供した政府開発援助(ODA)予算は4千億ウォンを超える。それだけに、捜査協力を積極的に求め、拉致被害者の所在確認と送還手続きを急がなければならない。