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「外交戦」APEC前に声高める李政権の自主派

「外交戦」APEC前に声高める李政権の自主派

Posted October. 02, 2025 08:16,   

Updated October. 02, 2025 08:16


韓米と北朝鮮核をめぐる外交の分水嶺となる慶尚北道慶州(キョンサンプクト・キョンジュ)でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を前に、李在明(イ・ジェミョン)政権内の自主派の声が一段と大きくなっている。韓米関税交渉が行き詰まる中、南北関係はもとより、北朝鮮核問題や韓米関係など外交安全保障の核心課題で北朝鮮との協力を前面に押し出す自主派の影響力が拡大しているという。

李大統領は1日、大統領就任後初の「国軍の日」記念演説で「大韓民国の平和と繁栄のためには誰にも依存せず、われわれ自らの力をさらに強めなければならない」とし、「揺るぎない韓米同盟の基盤の上で戦時作戦統制権(戦作権)を回復し、大韓民国が韓米連合防衛態勢を主導していく」と述べた。李氏が戦作権に言及したのは就任後初めてだ。

特に、李氏は演説で「戦作権の移管」ではなく「回復」という表現に直接修正したと、大統領室のキム・ナムジュン報道官が明らかにした。政府が採択した123の国政課題には「任期内の戦作権移管目標推進」が含まれていたが、より強い表現で戦作権移管を強調した形だ。キム氏は「回復は元の状態に戻すという意味だ」と説明した。

李氏の戦作権移管と自主国防の強調は、最近、鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官など自主派の声が強まる中で出てきた。鄭氏は先月29日(現地時間)、「北朝鮮は米本土を攻撃できる3大国家の一つになってしまった」と発言し、事実上北朝鮮を核保有国と認めたのではないかとの批判を受けた。鄭氏はまた、李氏が打ち出した対北朝鮮政策「ENDイニシアチブ」についても「最初に始めるべきは対話だ」と述べ、南北交流(対話)と非核化に優先順位はないと主張してきた魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長ら同盟派と対立した。END構想は、統一部が提案したという。鄭氏は戦作権移管についても人事聴聞会で「戦時作戦権のない完全な自主独立国家は不可能だ」と強調したことがある。

専門家らは、APEC首脳会議を機に韓米、米中首脳会談など大型外交イベントが予告される中、李政権内の自主派と同盟派の「不協和音」が混乱を拡大させかねないと懸念する。統一研究院の洪珉(ホン・ミン)上級研究委員は「米朝対話の再開など本格的な動きが出れば、(外交安保ライン間の)対立がさらに際立つ可能性がある」と指摘した。


權五赫 hyuk@donga.com