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きょうから中国人のビザ無し入国、付加価値税の即時還付とAI通訳を提供

きょうから中国人のビザ無し入国、付加価値税の即時還付とAI通訳を提供

Posted September. 29, 2025 07:36,   

Updated September. 29, 2025 07:36


きょうから中国人団体観光客、いわゆる「遊客(ユーカー)」のビザなし入国が本格的に始まる。韓国政府は来年6月末まで、3人以上の中国人団体観光客を対象に一時的に無査証入国を認めることを決定。国内の流通業界や観光産業全体では、「ユーカー特需」への期待が高まっている。

今回のビザ無し政策は、中国最大の祝日である国慶節(10月1~7日)や、習近平中国国家主席のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への出席のための11年ぶりの訪韓などと重なり、観光需要拡大の起爆剤になるとみられる。

28日、韓国観光公社によると、韓国を訪れた中国人観光客数は2016年には807万人に達したが、THAAD(高高度防衛ミサイル)配備とコロナ禍を経て、2020~2022年の3年間は107万人の水準に急減した。昨年はそれ以前より増えたものの、2016年の半分水準の460万人にとどまっている。

政府は今回のビザ無し政策で、100万人以上の中国人観光客の追加流入を期待している。今年1月は36万4460人だった中国人観光客数は、7月時点では60万2147人と徐々に増加傾向にある。

観光業界や流通業界などは、中国人観光客の受け入れに総力を挙げている。かつてのような大型団体旅行客中心ではなく、個人の自由旅行や小規模消費へと旅行のトレンドが変化していることから、それに対応した戦略づくりに取り組んでいる。

主要免税店や百貨店は、アリペイやウィーチャットペイ、ユニオンペイなど中国人が主に利用する簡便決済手段を導入して決済の利便性を高めており、多言語案内・通訳サービスや人工知能(AI)通訳デスクを設置して言語の壁を低くしている。新羅(シルㇻ)免税店は、中国人観光客のビザ無し入国初日に、仁川(インチョン)港に初寄港する中国船社・天津東方国際クルーズの7万7000トン級「ドリーム号」の乗船客団体訪問をソウル店に誘致するなど、中国現地事務所や旅行会社との協業を通じて団体観光客の誘致に力を入れている。

BGFリテールが運営するCUは、韓国観光公社とともに外国人観光客を対象とした付加価値税の即時還付サービスのキャッシュバックプロモーションを実施する。これは事後還付手続きなしで、その場で付加価値税が差し引かれた金額で決済できるサービスだ。GS25やセブンイレブンは、ウィーチャットペイで決済する顧客向けに割引特典やクーポン提供イベントを用意した。

政府と自治体は、KフードやKカルチャーの体験型コンテンツの開発に拍車をかけている。韓国観光公社は、「韓流体験」「ウェルネス」「Kフードツアー」を連携した観光商品を中国の旅行会社と共同開発している。KPOPやドラマ、ロケ地など、主に韓流をテーマにした観光地をコース形式で紹介する「テーマ型コース」も新たに発掘する計画だ。

仁川は、威海-仁川港のカーフェリー路線を活用した中国観光客の誘致と観光商品の開発に乗り出している。全羅南道(チョルラナムド)は、南道飲食文化祭とKPOP公演を組み合わせたツアープログラムを、慶尚北道(キョンサンブクド)はAPEC首脳会議と連携した観光コンテンツを準備している。

流通業界の関係者は「コロナ禍以降、初めて迎えるユーカー特需であるだけに、観光客を増やすためにカスタマイズした特典やサービスを拡充し、観光客を増やしていく」と話した。


ナム・ヘジョン記者 namduck2@donga.com