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「たやすく書かれた詩」背景の日本の母校に尹東柱記念碑

「たやすく書かれた詩」背景の日本の母校に尹東柱記念碑

Posted September. 26, 2025 09:28,   

Updated September. 26, 2025 09:28


日本統治時代を代表する抵抗詩人の一人、詩人の尹東柱(ユン・ドンジュ、1917~45・写真)の最後の作品「たやすく書かれた詩」の背景となった東京の立教大学が、尹東柱を顕彰する記念碑を建てることを決めた。これまで尹東柱の母校である京都の同志社大学をはじめ、京都には記念碑が多くあったが、東京に尹東柱記念碑が設置されるのは初めてとなる。

立教大学は25日、「来月11日、東京都豊島区キャンパスで尹東柱の記念碑除幕式を開催する」と発表した。立教大学は、尹東柱が1942年に延禧(ヨンヒ)専門学校(現・延世大学)を卒業後、日本に留学した際に最初に通った大学だ。尹東柱は立教大学英文科に1学期通った後、同志社大学に編入した。

立教大学在学中、尹東柱は「たやすく書かれた詩」(1942年6月3日)、「白い影」(4月14日)、「流れる街」(5月12日)など、珠玉の5編の詩を残した。特に「たやすく書かれた詩」は、六畳間や学費封筒などをモチーフに、祖国を失った学生が味わう悲しみを淡々と表現している。

尹東柱は当時、この詩を韓国語で書き、友人のカン・チョジュンに手紙で送った。立教大学を象徴する百合のロゴと英文名が印刷された便箋に書かれており、創作時期と場所を正確に確認できる。原本は延世(ヨンセ)大学が所蔵しており、立教大学はコピーを学内記念館で展示してきた。

今回建立される記念碑は左右に長い長方形で、中央に尹東柱の写真、左右に略歴と韓国語で残した「たやすく書かれた詩」および日本語訳が刻まれる。QRコードも設置され、スマートフォンで詩人の人生や作品に関する詳細な説明を見ることができる。

立教大学は2008年から毎年2月、尹東柱の命日に合わせて学内チャペルで追悼行事を行ってきた。また10年からは、尹東柱の名を冠した国際交流奨学金を設け、韓国人留学生に毎月5万円(約47万円)を支給している。

今回の記念碑建立を機に、京都一帯にある尹東柱の記念碑も再び注目を集める見通しだ。同志社大学キャンパス内には1995年に詩碑が建てられた。また、現在は京都芸術大学キャンパスとなっている尹東柱の京都下宿跡にも詩碑が設置されている。2017年には生誕100年を記念して、京都近郊の宇治川沿いにも記念碑が建てられた。この川は尹東柱が同志社大学の学友と野外送別会を行い、生前最後の写真を撮影した場所だ。

一方、同志社大学は尹東柱の逝去80年にあたる今年2月16日、尹東柱に名誉博士号を授与した。1885年設立の同大学が故人に名誉博士号を授与したのは、尹東柱が初めて。


林賢錫 lhs@donga.com