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単独出動を懲戒だけでは防げない、人員・制度を根本的に見直すべきだ

単独出動を懲戒だけでは防げない、人員・制度を根本的に見直すべきだ

Posted September. 23, 2025 09:20,   

Updated September. 23, 2025 09:20


「潮が満ちてきて、(追加の救助隊が)ちょっと必要そうです」

11日未明、干潟に取り残された男性を救おうと単独で海に入る直前、海洋警察官の故イ・ジェソク警査(34)は、派出所チーム長に無線でこう伝えた。しかし追加の人員は来なかった。当直の4人は、規定の3時間休憩を大きく超える6時間もの休憩指示を受けて眠っており、チーム長は彼らを起こさなかった。

結局、34歳の若き警察官は自身の救命胴衣まで取り残された男性に渡し、冷たい海で孤独な闘いを繰り広げた末、命を落とした。規定違反や事件隠蔽を試みた疑いのある幹部らは待機発令となり、懲戒を控えている。

しかし、単に一部の厳しい懲戒で終わらせてはならない。今年初めに発表された海洋警察庁の「中期人員管理計画(2026~2029)」によると、自然災害や海上事故による救助・救難の需要は増え続けている一方、人員増加は追いつかず、2029年には必要人員に対して実際の勤務人員が1792人不足すると見込まれている。今年基準で全体の10%を超える数字だ。こうした人員不足は、現場で治安と安全を担う第一線の警察署への負担となる。2023年の資料でも、海警現員は基準定員より199人不足しており、このうち179人が警察所や派出所で足りていなかった。

問題は改善の兆しすら見えないことだ。少子化で若年人口自体が減少しているうえ、夜間や緊急出動が多く、給与や待遇が相対的に低い海警という職業の魅力がますます低下しているからだ。派出所が規定より長い休憩時間を与えているのも、こうした現実と無関係ではないだろう。

警察、消防、軍など、いわゆる「MIU(Man In Uniform)」職種全体が似たような困難に直面している。軍の人員が減ったため義務警察制度が廃止された。そのため陸上警察は地方からソウルに送る人員が、この2年間で3倍以上に増えた。だが全体の人員は横ばいか減少傾向にある。ソウルだけでも2023年、巡査4626人が欠員だったという。勤続5年以下の若手警察官の「大量離職」も増えている。消防職員労組も「人員不足で2人1組の原則が守られていない」と訴えてきた。2023年には全羅北道金堤市(チョルラプクド・キムジェシ)で新米消防士が単独で火災現場に入り、命を落とす事故も発生した。調査の結果、この新米消防官が勤務していた安全センターの勤務人員は定員より3人不足していたことが明らかになった。

少子高齢化により、こうした人員難はさらに深刻化するだろう。2000年代以降の出生数は急減し、その世代が本格的に労働市場に入ってきている。今後、公共安全の現場はかつてない人材不足に直面する可能性が高い。

人員の配置と勤務制度を根本から再設計すべきだ。必要ならば巡回・出動拠点を統廃合し、海警が人員不足対策として導入した夜間ドローン巡回のように、ドローンや人工知能(AI)など新技術を積極的に活用し、小さくても効率的な「スマート組織」に生まれ変わらなければならない。

同時に、MIU職種の待遇改善も不可欠だ。「懐が軽ければ腰が曲がる」という言葉の通り、十分な報酬と待遇なしに誇りや名誉を求めることはできない。尊い犠牲は、社会とシステムが尊厳を欠いていることの証左に過ぎない。