Go to contents

「医大生を成績だけで選びますか?」カナダの医師の問い

「医大生を成績だけで選びますか?」カナダの医師の問い

Posted September. 22, 2025 10:19,   

Updated September. 22, 2025 10:19


2年前、カナダの医師たちに会い、救急患者の「たらい回し」問題を取材した。人口1千人当たりの医師数はカナダ2.8人、韓国2.6人でほぼ同じだ。しかし、カナダでは重症の救急患者が「たらい回し」となる事態はほとんどない。美容医療に医師が偏って手術室が空くようなこともない。それがなぜ可能なのか疑問だった。

「カナダでは美容医療はもうからないのですか?」

「いえ、もうかりますよ。ですが、なぜそんなことを?」

互いにきょとんとした後、しばし沈黙が流れた。カルガリー大学救急医学科のスコット・バンクス教授が口を開いた。「もし医師の大半がもうかる診療科ばかり選ぶなら、それは医大生を間違って選抜しているということです」。そして続けざまに問いかけた。「韓国では成績だけを見るのですか? 医師になりたい理由は聞かないのですか?」耳慣れない問いだった。

誤解のないように言っておくが、この文は医大生を非難するものではない。すでに険しい道を選んだ人々だ。ただ、正しい羅針盤を渡すのは社会の責務だ。入試は職業倫理の予告編だ。試験が記憶力とスピードだけを問うなら、その能力しか育たない。一方で「なぜこの道を選んだのか、誰のために働くのか」を問えば、別の力も同時に育つ。近代医学の父と呼ばれるウィリアム・オスラーが言った「病気を持つ患者を治療する」という感覚がそれだ。

カナダや米国、英国の医学部は、成績がいくら優秀でもボランティアや地域活動の経験が不足していれば合格できない仕組みになっている。特にカナダでは多くの医学部が人格テスト(CASPer)を重視している。集中面接(MEM)では、暗記だけでは対応できない質問が次々に投げかけられる。「人手不足なら誰を優先して治療するか」「治療を拒否する患者をどう説得するか」といった倫理的ジレンマを提示し、学生がどんな哲学を持っているかを見極める。モントリオール大学医学部では1次選抜で人格テストを40%反映し、最終段階は100%集中面接だ。

韓国の医学部は成績重視型だ。面接はあっても、ほとんど暗記で対応できるレベルにとどまる。社会的責任感をしっかり評価するのは難しい。反映率も5~20%で形式的だ。

ソウル大学医学部が最近発表したカリキュラム改革案は、こうした問題意識とつながっている。2027年1学期から「チームスポーツ」「地域医療実習」などの科目を新設し、包容力や共感力、犠牲精神を育む計画だ。キム・ジョンウン学部長は東亜(トンア)日報のインタビューで「医・政の対立を経験し、知識の伝達を超える教育が必要だと痛感した。人生で受けた恩恵と医師に与えられた特権を社会に還元すべきだという自覚を教育に反映させたい」と語った。

ソウル大学の変化は出発点にすぎない。さらに踏み込み、医学部生の選抜基準から見直す時だ。医政対立を経て、政策混乱だけでなく、患者を置き去りにする医師たちの姿に深く失望した人は多い。だからこそ選抜段階から「患者と社会に献身する覚悟があるか」を問うべきだ。

この問いに自分で答えた者は、同じ知識を学んでも違う道を歩む。その答えを白衣に刻む医師が増えた時、医政対立の傷もようやく癒えるだろう。