
人の気配が感じられない建物と持ち主のいない数十台の車が並ぶ駐車場は、グローバル企業の大型工場建設現場とは到底思えなかった。通常であれば出勤する職員で賑わうはずの月曜日午前8時だったが、工場周辺には往来する車の姿も見られなかった。
工場の入口には、出勤する従業員の入場証を検査していた企業の警備員もいなかった。あちこちに倒れている大型のゴミ箱は、4日(現地時間)に行われた米移民当局の大規模な取り締まりによる混乱を物語っているようだった。
8日(現地時間)、ジョージア州エラベルにある現代(ヒョンデ)自動車とLGエナジーソリューションの合弁バッテリー工場(HL-GA)の工事現場を訪れた。同日は、4日にここで米移民当局による不法滞在者の取り締まりが行われた後、初めて迎える月曜日だった。
訪れた工場には、駐車場に持ち主を失った車が数十台並んでいた。普段は社員寮で生活していた従業員たちが数人ずつ乗り合わせて出勤していたミニバンも複数目撃された。車内には飲みかけのコーヒーやミネラルウォーターのボトルがあった。しかし、ほとんどがレンタカーであるこれらの車には、持ち主も鍵もなく、誰の所有か確認もできず返却もできないまま放置されている状況だった。韓国企業による大規模な対米投資、韓米経済協力の象徴ともいえる大型工場は、完全に停止した。
米移民当局の収容施設に拘束されている韓国人労働者約300人の釈放と出国に向けた韓米間の協議が進められている中、李在明(イ・ジェミョン)大統領は9日、閣議を開き「突然の出来事に驚かれたことと思う。心よりお見舞い申し上げる」と述べ、「国民の安全に最終責任を持つ大統領として大きな責任を感じている」と述べた。特に李氏は「韓米両国の共同の発展に向けて韓国の国民や企業の活動に対する不当な侵害が再発しないことを望む」と強調した。
金容範(キム・ヨンボム)大統領政策室長も同日、韓国放送記者クラブの討論会で「政府は一人も漏れることなく、強制送還ではなく自主的な帰国で迎えられるよう、最終段階の行政手続きを完了するために最善を尽くしている」と述べた。また「外交的に最も強い口調で懸念と遺憾を表明し、産業通商資源部長官は外交的な表現ではなく強い抗議を行った」と付け加えた。
一方、韓国の航空業界によると、大韓航空は同日、368席規模のB747-8i旅客機を仁川(インチョン)国際空港から米ジョージア州ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港へ飛ばすことを決めた。韓国政府の目標通りに10日までに拘束者の自主出国のための行政手続きが完了すれば、飛行機は10日深夜に国民を乗せてアトランタ空港を出発する見通しだ。
林雨宣 imsun@donga.com






