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李大統領「対北は忍耐、対日は信頼」、そのすべての力は国民統合から生まれる

李大統領「対北は忍耐、対日は信頼」、そのすべての力は国民統合から生まれる

Posted August. 16, 2025 08:43,   

Updated August. 16, 2025 08:43


李在明(イ・ジェミョン)大統領は15日、光復80年の演説で「古い冷戦的思考と対立から脱し、平和な韓半島の新時代を開かなければならない」とし、北朝鮮に対してその体制を尊重し、吸収統一や敵対行為はしないと明言した。さらに前政権時に破棄された2018年9月の軍事合意の先制的かつ段階的復活の意思も示した。日本に対しては「庭を共に使う隣人であり重要なパートナー」とし、「過去の苦しい歴史を直視し、両国間の信頼が損なわれることがないよう努力してくれると期待している」と述べた。

李氏の言葉は、北朝鮮には忍耐を、日本には自信を基盤に新政権の対外政策路線を展開するという内容に要約される。北朝鮮には繰り返し対話を呼びかけながら、日本には未来志向の協力を優先するということだ。対北・対日政策はこれまで政権交代のたびに大きく揺れ動き、一方とは距離を縮めながら他方とは遠ざかることが多かった。こうした両関係を適切に管理し、バランス感覚を持って対外政策を導くという李在明式実用主義の宣言といえる。

対北政策に関して李氏は、これまで南北対話の前提条件とも言えるキーワード、すなわち北朝鮮体制の尊重と吸収統一排除の原則を復活させた。公然と「自由の北進」を統一ドクトリンとして掲げ、事実上吸収統一論を主張した前政権との明確な違いを示す部分だ。特にビラ散布の中止、拡声器の撤去といった対北融和措置の継続はもとより、軍事合意の復活まで明言した。「虚しい夢」といった嘲弄にもかかわらず、北朝鮮側の応答があるまで辛抱強く待つという姿勢だ。

韓日関係については、歴史問題には原則的に対応しつつも、両国間の未来協力を強化するという「ツートラック」方針を改めて確認した。李氏は来週末、初の米国訪問の前に日本を訪れる外交行動を通じて小さな「破格」を見せる予定だ。石破茂首相は同日、終戦の日の式辞で13年ぶりに「反省」に言及し、それなりの呼応を示した。こうした小さな信頼が一つずつ積み重なることで、韓日間の共生協力の基盤も大きくなるだろう。

実際、対北・対日バランスの確保は「第2期トランプ時代」の国際秩序の激変期を乗り越えるための知恵だろう。トランプ米大統領の米朝直接交渉に備えるには北朝鮮との対話の糸口を開くことが、同盟に厳しいトランプ式計算には日本との協力が必要だからだ。にもかかわらず前々政権、前政権がそうだったように、一方への過剰と偏向に流れやすいのが対外政策だ。その偏りの根底には世論への迎合、特に国論分裂の中で支持層に頼ろうとする政派的計算があった。

すべての政府政策の力は国民統合から生まれる。対外政策も違いはない。過去の失敗も親北・親日論争が生んだ分裂と対立、それに伴う一方通行的な政策推進の結果だった。政策の成功、さらには政府の成功は真の政治の復元、すなわち統合の政治を通じて達成できる。李氏も式典での演説で「今こそわれわれの内なる壁を取り払わなければならない」とし、分裂の政治から脱却し共生の政治を共に築こうと強調した。その始まりは李氏自身からでなければならないことは言うまでもない。